3話
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「世界をバッドエンドにしちゃだめクル!!」
「世界は全てバッドエンドになる。頑張っても無駄なだけだよ」
「違うクル!無駄なんて絶対に無いクル!!頑張ったらきっとハッピーになれるクル!!」
「(……無駄なんて絶対に無い、か)」
「(がんばればハッピーに…)」
「ふん!ほざいてろ、どうせテメェにはそれ以外何も出来ねぇ」
キャンディーの言葉に耳を貸さず、キャンディーを捕らえるために、キャンディーを抱えるみゆきに近づいてくウルフルン……だが
「あん?」
「悟飯君」
そんなウルフルンの行く手を遮る様に、悟飯は前に出た。
「何だテメェ?」
「……この街の人達の顔は、笑顔で溢れていた。お前が何故こんな事しているか知らないが、街の人達から笑顔を奪う事は許さないぞ!」
悟飯にとって、この街の人達の笑顔や、みゆきの笑顔は久々に見た何の濁りも無い、心からの笑顔だった。ウルフルンが何故こんな事をしているのか分からなかったが、皆から笑顔を消す事は許せなかった。
「そ、そうだよ!無駄な事なんて無い!どんな事も最後まで頑張り抜くの、そしたら、いつか絶対、ハッピーになれるんだから!!」
「よく言ったぞ。みゆき」
恐怖心からか膝が震え、キャンディーを護るように抱き抱えたみゆきも、ウルフルンの言葉に反論する。
「ちっ、だったら二人まとめてあの世に送ってやるよ…出でよ!アカンベー!!」
ウルフルンは懐から赤い玉を取り出し、叫ぶ。すると、近くにあった家の塀のレンガが赤く光り出し、それを模した6〜7メートル級の巨大な怪物が現れた。
「アカンベー!!」
「何だ!これは!!」
「レンガのお化け!?」
「ウルフフフ、こいつの名はアカンベー。ピエーロ様の御力で、キュアデコルの力をバッドエンドに変えて生み出した怪物だ」
「……キュアデコル」
「なに、言ってるの?」
みゆきはウルフルンが何を言っているかは分からなかったが、一つだけ確かなことがあった。
この怪物が自分達を襲うつもりだと、そして自分など、あの怪物に襲われればひとたまりも無い事を。
だけど、キャンディーを置いて逃げるわけにはいかない。こんな小さな子を置いて、自分達だけ逃げるわけにはいかない、と
「みゆき。君はキャンディーを連れて、安全なところに隠れていてくれこいつは俺が相手をする」
「……悟飯君?」
自分達を護るように前に出た少年に目を向ける。黒髪に山吹色の道着、背中に刺繍された『魔』の文字、後ろ姿からでも分かる鍛え上げられた肉体、自分と同じ歳である彼の背中はとても大きく見えた。
「いけ!アカンベー!」
「アカンベー!!」
ウルフルンがアカンベーに指示を出し、悟飯に向けて右の拳を放つ。あの巨体から繰り
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