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衛宮士郎の新たなる道
第15話 VS血斧王
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は、スカサハからの携帯の連絡により百代を見張っていてくれと頼まれたのだ。
 と言っても5秒前の事だった。
 けれど、近所迷惑どころでは無い先程の轟音にスカサハからの忠告。
 嫌でも事態は急を要すると理解させられた鉄心は、瞬時に携帯を切ると同時に今この場に来たのだ。 最初は気配を消そうかとも考えたが、部屋の外からでも感じ取れるほどの百代の気の昂ぶりに溜息をついてから、必要ないと判断して堂々と立ちはだかる様に佇んでいた。 

 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 しかし百代は応えない。
 答えに窮したわけでは無い。
 単に答える気が無いだけ。
 百代の思いは既に決まっているのだから。
 そんな百代に鉄心も意を介さずに質問を続ける。

 「如何したんじゃ?答えんか。こんな夜更けに顕現の参・毘沙門天(何所に行く気じゃ)!!」

 鉄心の方から火ぶたを切ったかと思うが、それは違う。
 百代の方が鉄心の質問の途中で駆けだそうとしていたのだ。
 それを読み取った鉄心の先制攻撃。
 川神流奥義の一つ、顕現の参・毘沙門天。
 0.001秒の一瞬の間に、闘気によって具現化した毘沙門天の巨大な足のより、百代を押し潰す――――いや、巨大な足の下には百代の姿はなかった。
 百代は鉄心の目の前にいたのだから。

 「川神流――――」
 「むぅ!?」
 「――――無双正拳突きぃいい!」
 「ぐぬっ!」

 百代の拳は鉄心の顎にクリーンヒットさせて、脳震盪を起こさせた。
 普通のアッパーでは鉄心の脳を揺さぶるなど出来ないので、この選択を百代は取った。
 しかも脳震盪を起こせば時間稼ぎにもなるし、冷静な判断が出来ないからと画策した様だ。
 狙い通り脳震盪によりふらつく鉄心に、百代は畳掛けずに川神院の塀を超える。

 「ま、不味い・・・」

 状況の拙さに鉄心は、ふらつく体を何とか立て直そうと試みながら焦る。
 百代を他に止められるものはルーだけだが、今は先ほどの轟音により近所の住民たちの不安を取り除き落ち着かせようと、多くの修行僧を連れ出して出払っていた。
 自身の失態に凹みながらも、極力早く体勢をを整えて追跡しようと努めるしかなかった。


 −Interlude−


 同時刻。
 藤村組本部である藤村邸でも川神院の修行僧達と同じように、冬木市内の住民たちを落ち着かせようと藤村組のNO.2である雷画の実子であり若頭こと、藤村嵐臥(らんが)が組員を率いて市内に出回っていた。
 未だ藤村組の頂点である雷画は、日本に古くから居る退魔の一族出身のNO.3の石蕗和成と、ある魔術師の家系から絶縁を言い渡されたNO.4の吉岡利信の、2人を集めていた。

 「嵐臥に同行させずにお前たちを残したわけ、分かっ
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