二十八話:理解
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たず、普通に、ごく平穏に暮らしてほしい。
そのためには正義の味方というものを目指されては困る。目指し続ける以上は必ずどちらか片方を切り捨てなければならない場面に遭遇する。かつての衛宮切嗣がそうだったように。そして、正義に味方することを選んでしまえばもう後戻りはできない。永遠に地獄を歩き続けるだけだ。
「スカリエッティ、もしもあの子達とお前の娘達がぶつかる時は僕を呼べ」
【彼女と話をするつもりかね。それはいい、憧れの人物と会えるのだから彼女も喜ぶだろう】
「ちっ……話はこれで終わりだ。仕事を怠るなよ」
通信を一方的に切り、切嗣は早足で歩きだす。偽物の正義の味方などに憧れるのは間違いだ。彼女の傍には人間味を捨てることなく彼の思う本物の正義の味方となった者達がいる。目指すべきはそちらだ。名も知らぬ誰かの為に己の全てを賭ける生き方など間違っている。
「正義の味方という効率を優先するだけの“機械”は僕で終わらせる」
その為ならば、全力で、己の全てをかけて―――彼女の理想を否定しよう。
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