番外編隻腕の大剣使いと愚かなる殺戮者1
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い。SAOでの食事は大体現実の自分の胃袋と同じくらい入る。オレは結構大食いだと周りから言われてたし自分でもそう思う。未来の飯を食うという手もあるがーーーはっきり言ってオレの妹は料理下手である。オレも未来も本職は攻略組のトッププレイヤーであり、《料理スキル》を上げる時間も案外他のことで潰している。
とにかく、この今もなお音を鳴らしている腹に何か入れないとーーーそう考えているうちに、オレの視界にある店が入る。あれはーーー
「中華料理店・・・」
この前までここにこんな店あったっけ?ーーーそうか、誰かプレイヤーがここに店を建てたのか。少なくとも味に自信がある《料理スキル》の持ち主が。よし、ここで食べよう。中華料理なら甘い物も少ないだろうし、すぐそこの宿屋の角でオレを監視してるリズさんとシリカも撮影を諦めるだろう。それに中華料理も久し振りだし、たらふく美味い中華を食そうではないかーーー
******
と考えていた10分前のオレをぶん殴りたくなった。なぜならこの店ーーー
「ひでぇなこれ・・・」
非常にという訳ではないが不味い。特にこの餃子なんて水気がすごい。よくもまぁこれで店を持とうなんて思ったなぁ。オレはウェイトレスNPCを呼び席を立ちこう叫ぶーーー
『シェフを呼べぇぇい!!』
料理に文句がある時はこう叫ぶのは案外定番だとは思う。オレ達の叫びは店中に響き渡りーーーオレ達?
「なんだ?お前もここの店主に文句があるのか?」
「え?あ、ああ・・・」
誰かがオレに声を掛ける。その声のする方を見るとーーーボサボサの茶髪で、少し鋭い目付き、赤いシャツの上に灰色のパーカー、黒のグローブにゆったりとした深緑のズボンを着た、身長がキリトと同じくらいの少年がいた。
「久し振りの中華料理だと思ったのに・・・酷いモンだよ。特にこの餃子が」
「奇遇だな。俺もだ」
どうやらお互いーーー目の前にいるこの店のシェフのおっさんへのクレームの内容は同じらしい。
******
結局あの不味い餃子を客に出す店はしばらく休業になり、しっかりと《料理スキル》を上げるように言いつけておいた。
「あんなセリフ言ったの人生で初めてだぜ」
「俺も滅多に言わないな」
滅多にって、少なくともオレの隣に立っている偶然出会った少年は何回か言ったことあるのか?すげぇなソレ。にしてもーーー
「はぁ〜、食欲失せた。ストレス発散に狩りにでもいくか・・・」
オレは消え失せた食欲の代わりに沸き上がったストレスを放出するためにモンスターを狩りに行くことにした。システムウィンドウを操作し、アイテムストレージから愛剣《ドラゴンビート》を取り出し、
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