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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン43 鉄砲水と『万』の結束
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っての、食べてみたかったんだ」
「そんな貧乏臭い真似、誰がするか!」
「あら残念。冗談だよ冗談」

 半分は、という言葉はさすがに呑み込んでおいた。もちろん半分は本気だったんだけど、この様子だと絶対引き受けてはくれないだろうし。
 呆れ顔のまま万丈目がやれやれと首を振り、いましがた見ていたパソコンの画面を指さす。つられて僕も見ると、そこにはガラム財閥の検索結果がずらりと並んでいた。

「別に、昔の俺ならいざ知らず今の俺は万丈目グループとは何の関わりもない身。あの男の家柄がどうだろうと、俺の知ったことではない」
『とか言っちゃって〜、ホントはすっごい気にしてるんじゃないの〜?』
『『プライド高いからなー』』
「やかましい、引っ込んでいろ!というか俺に話させろ!……ぜい、ぜい、すまん、見苦しいところを見せたな」

 怒鳴り散らしておジャマ3兄弟を追いやる万丈目に、いつも通りだから気にしないよー、なんて言葉をかけるなんて真似は僕にはできなかった。でも万丈目の場合、本人がどう思うかはともかく僕らからしてみればこれが平常運転なんだけど。

「話を戻すが、俺が気に食わんのはただ1つ。万丈目グループの後ろ盾を捨ててからというもの、俺は苦労に苦労を重ね今ここにいる。だがこのアモンはどうだ!何の気苦労もなくのうのうと暮らしてきたお坊ちゃまが、この万丈目サンダーよりも今こうして目立とうとしている!」
「ちょっとでもいい話に繋がるのかと思った僕の感動を返せ」

 口には出していないが、いつの間にかまた出てきたおジャマ3兄弟もなーんだ、といった顔で万丈目の背後にふわふわ浮かんでいる。そんな僕らの視線にも気づいていないのだろう、当の本人は大真面目な顔でさらにまくしたてる。この隙に部屋帰ろっと。

「そこで、俺は一計を考えた。この万丈目サンダーが目立つことができ、なおかつアモンの鼻っ柱をへし折ることができる作戦をな。お前も来るというならばその際に手伝いのひとつでも頼もうかと思ったが……招待すらされていないのなら聞くだけ無駄だったな。ふふふ、今夜が楽しみだ。アモン・ガラムめ、今夜はこの俺の生まれ変わったデッキでぎゃふんと言わせてやる!」
「え?」

 部屋の脱出もあと少しで成功するところまで行っていたが、それでも最後の一言につい反応してしまうのはデュエリストとしての悲しき性……でいいのかな。

「ふふん、お前が知らなくても無理はない。何しろこの忌々しい招待状が届いてから、睡眠時間を削って作り上げた俺の持ちうるギミックを詰め込んだ一品だからな」
『アタイ達兄弟にも出番があるのよ!』
「へー……ちょっと見せてよ」

 万丈目のデッキ構築力は、このデュエルアカデミアの中でもかなり高い。ちょっと前まで圧倒的トップに三沢がいて、次点に元プロで
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