ターン43 鉄砲水と『万』の結束
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『あら〜?万丈目のアニキ、珍しくお勉強?』
『『まっさか〜!』』
「ええい、うるさいぞお前ら!」
剣山が倒れ、ジムもまたデスデュエルによって倒れた。バレンタインを挟んであれから2晩が経ったが2人ともいまだ意識が戻らず、何度か見舞いに行ったけども目覚めるそぶりすら見せないままだ。デスデュエルを見ていた十代たちの話によると、ジムは倒れる前にデスベルトを通じてエナジーが吸い取られる感覚を味わったという。僕とヨハン、十代とオブライエン、そして今回の剣山とジム。これまでに起きた終了後に人が倒れるほどの事件はこの合計3回だが、その中にもさらに程度の差がある。そしてそのほかの生徒が行うデスデュエルでは、精々終わった後でちょっとめまいがする程度でしかない、らしい。僕はそんな平和なデスデュエル経験したことないけど。プロフェッサー・コブラの持ち込んだデスデュエルに、それに対して何かしらのアクションを起こしつつあるアモン。島を飛び回る謎の怪電波と、それを追いかけるジム。そして何かを知っていそうな、だけど何ひとつ口にしない態度のオブライエン。まるでわからない、一体これがどう繋がればスッキリするんだろう。
……などなど、せっかく柄にもなく真面目に人が物を考えていたというのに。レッド寮の安普請な壁を通じてすぐ近くから聞こえてくる万丈目と愉快な仲間たちのせいで、そんな思考も一時脇に追いやってしまった。
「入るよ万丈目ー、さっきから何やってんのいったい」
「む、清明か。ちょうどいい、お前、これには出るつもりなのか?」
部屋に入ると、調べものでもしていたらしくパソコンを目の前にした万丈目がそう言って、机の上に置いてあった封筒を投げつけてきた。キャッチして見てみるが、こんなもの特に見覚えがない。
「……なにこれ」
「何?お前は受け取っていないのか?なら説明してやろう、これは昨日からオベリスクブルー及びラーイエロー、そしてこの俺万丈目サンダーに向けて配られているアモン・ガラムからのパーティーの招待状だ。なんでもあいつのバックに存在するガラム財閥……平たく言えば万丈目グループ以上の金持ちだ、そこが身内の留学祝いでパーティーを行うんだと」
ガラム財閥、そのワードはつい先日も聞いた覚えがある。確か森に仕掛けられた謎の監視カメラをアモンに渡した時に、ガラム財閥の力で映像の再生をどうこう言っていたような。財閥なんて名前の響きからいってもただ者じゃないとは思ってたけど、あの万丈目グループ以上の金持ち企業だったのか。
「ふーん。まあ今時レッド生なんて数少ないからねえ。呼ばれてないのに行きようもないし、僕は家でご飯食べてるよ。んじゃさ万丈目、タッパー貸したげるからもし会場でキャビアとかフォアグラとか出たらちょっと持って帰ってきてよ。いっぺんでいいから高級食材
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