第二話 異変その七
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「俺はずっと御前と一緒だ」
「それが友達なんだね」
「いるよな、友達面していざとなったら手の平を返す奴」
「相手がピンチになったらその時は」
「縁を切るとか言って逃げてな」
そして、というのだ。
「かえって攻撃とかする奴が」
「いるね、確かに」
「俺はそんな奴は大嫌いだ」
吐き捨てる様にしての言葉だった。
「陸上部の先輩に二人程そんなことをした奴がいてな」
「そうした人がいるんだ」
「ああ、友達だって言った人に告白しろと言ってな」
「それでその人が告白して」
「ふられた、そうして告白した相手とその周りに責められるとだ」
「本当に手の平を返して」
「自分も攻撃する様になった」
友達と言っていた相手にというのだ。
「そうした先輩達がいる」
「いい人達じゃないね」
「最低の奴等だ」
ここでもだ、龍馬は吐き捨てる様にして言った。
「先輩でも軽蔑している」
「龍馬が一番嫌いそうな人達だしね」
「ああ、その振った女の先輩達も知ってるが」
「いい人達じゃないんだ」
「その人達も最低だ」
女達の方もというのだ。
「けしかけられて振られた人は今はとてもいい女の人と交際していて素晴らしい親友の人がいてくれているがな」
「その人はいい人なんだね」
「凄くな」
「そんな酷い人もこの学園にはいるんだね」
「親父に言われた、何処にでもいい人もいれば悪い奴もいる」
どちらの人間もというのだ。
「そしてだ」
「この八条学園もそうなんだね」
「ああ、それでどんな素晴らしいスポーツや文化でも」
「それをしている人達でもだね」
「いい人もいれば悪い奴がいる」
その両方がというのだ。
「どっちもな」
「陸上でもだね」
「その先輩達は誰からも相手にされていない」
陸上部でもというのだ。
「三年の人達からも一年の俺達からもな」
「それで同じ学年の人達とも」
「嫌われて相手にされていない」
「本当に嫌われてるんだね」
「人を裏切る様な奴はだ」
「しかも自分がけしかけてそれで手の平返すってね」
優花も眉を曇らせてやや俯き気味になって言う。
「しかも孤立した相手を攻めるって」
「ついこの前まで友達だって言っていた相手をな」
「最低の裏切りだね」
「裏切るって言っても色々あるだろうがな」
「その人達の裏切り方はね」
「最低だな」
「うん、確かにね」
優花は龍馬のその言葉に頷いた。
「ないよね」
「そんな最低なことをする奴等だからだ」
「皆から嫌われているんだ」
「そうした人間性が行動に出るからな」
「普段からも」
「だからだ」
それでというのだ。
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