2部分:第二章
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第二章
最早マスコットには見えないとだ。化け物の様だとだ。
ただでさえ気持ち悪いと評判のあのマスコットが増えた様なものだ。それでそうした声があがらない方が不思議だった。しかもネットでは本音が出る。
マスコットが出て来た時からそう言われていたが一家になるとだ。余計に言われるのだった。そしてそれは留まるところがなかった。
何が留まらないのか。そのマスコットをプッシュする県の方がだ。マスコットは一家で県内を席巻しその至る場所に姿を現した。挙句には県外にまで出張する始末であった。
そして遂にはだ。マスコットはだ。
県に就職することになった。しかも永久就職だ。県の正式なマスコットとしてだ。ずっと県にいることになったのである。何と公式にだ。実際に知事が直接正式採用としている。この知事もいくところまでいっているがそれについて誇りにさえ思っているようである。どうやらこの知事が見ているのはインパクトだけの様である。そうした意味では彼の狙いは大当たりだったがそれ以外、常識という分野においては成功か失敗かというとそれは言うまでもないことだった。それは県民達が出しているものだ。
マスコットもそれを選んだ知事も止まらない。誰もが大概にしろと思うのだが止まらない。マスコットは今も県庁にいる。彼を見た県民達は誰もが嫌な顔をする。しかしそれでもだ。インパクト故に残ってしまいグッズも売れておまけに家族までできた。しかも就職までしてしまった。彼の勢いは止まらない。調子に乗る一方だ。誰もが望んでいないマスコットの快進撃は続くのであった。
ワル乗り 完
2011・4・2
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