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第一章
ワル乗り
不気味だの気色悪いだの言われて散々な評判のマスコットがある。それはとある県のマスコットだ。
多くの人間がこのマスコットが決まった時には怒り狂った。何故そんな可愛くないマスコットにしたのかとだ。知事が何時の間にか選びそれで決定した。しかしこの場合は密談での決定だの独断だのが問題にはならなかった。問題になったのはそのマスコットのあまりもの可愛くなさ、不気味さ、気持ち悪さであった。
それでなのだった。県民達はマスコットに対して非難轟々であった。それは
留まるところを知らなかった。だが彼等が騒ぐせいでだ。
マスコットは注目され全国的に知れ渡るようになってしまった。それでさらに注目されてだ。インパクトが強過ぎてかえって知られるようになったのだ。
県民達にとってはこれは計算外だった。焦った彼等は対抗馬として彼等のマスコットを考案していった。しかしそのマスコット達ではだった。
インパクトが弱かった。そのあまりにも不気味なマスコットのインパクトには惨敗してしまった。インパクトの意味で勝敗は明らかだった。
それに気をよくしてか。知事はだ。
マスコットのグッズなどという恐ろしいものを考えだした。あろうことかそれを売りにだした。するとこれが異様なまでに売れた。
これには県民達も言葉を失った。しかし売れているのは事実だ。あちこちにポスターとして出てだ。着ぐるみとなって顔を出す。
それに付け加えてであった。彼一人では済まなくなった。
何とさらにであった。マスコットの家族というだ。余計ということでは済まない存在達まで考えだされた。遂には家族まで出て来たのだ。
県民達は今度こそ言葉を失った。どう言っていいかわからなかった。だが、である。
ネットではだ。その家族はこう評された。
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