巻ノ三十一 上田城の戦いその十二
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「手出しはしてはならぬ」
「はい、わかりました」
「そのこともまた」
「ではお通しせよ」
あらためてだ、鳥居は言った。
「ここでお会いしようぞ」
「茶はどうしますか」
「毒を疑われるやも知れぬが」
それでもとだ、鳥居は茶のことにも答えた。
「お客人にそれを出すのも礼儀、ならばな」
「用意しますか」
「そうせよ、ではな」
「はい、それでは」
「これより」
周りも応えてだった、そのうえで。
鳥居は信之、幸村達と会うことにした。このことはすぐに陣の入口のところにいた彼等に伝えられた。その言葉を受けてだ。
あらためてだ、幸村は信之に言った。
「では」
「うむ、行こうぞ」
「さて、万が一のことがあれば」
「その時はですが」
「まずは、ですな」
「参りましょう」
幸村の家臣達も言う、そしてだった。
彼等は徳川家の陣に入った。そうして鳥居と会って話をするのだった。
巻ノ三十一 完
2015・11・7
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