第一幕その五
[8]前話 [2]次話
「実は僕はイギリス人なのですが」
「欧州では、ですよね」
「はい、そうした旅もありまして」
「ではです」
「その貨物便でお願いします、ただ」
「ただ?」
「僕は客席は遠慮します」
ここでこう言うのでした。
「皆と一緒にいたいです」
「貨物車両の中にですか」
「家族ですから」
だからとです、先生は社員さんに微笑んで答えました。
「旅行の時もです」
「一緒にですか」
「宜しいでしょうが」
「あの、客席は快適ですが」
社員さんはこのことは約束しました。
「ですが貨物車両は」
「本来はものを入れる場所ですね」
「はい、ですから」
だからというのです。
「あまり乗り心地、居心地は」
「それでもです」
よくなくてもというのです。
「皆と一緒にいたいのです」
「移動の際も」
「はい」
こう言うのでした。
「それはお願い出来ますか」
「それでは」
社員さんは戸惑いながらもです、先生のリクエストに応えました。そしてです。
先生は社員さんと旅行のことを全て決めてです、そしてなのでした。
お家に帰ってです、動物の皆に笑顔でお話しました。
「北海道になったよ」
「あっ、旅行に行けるんだ」
「そうなったんだ」
「うん、そうだよ」
こう笑顔で言うのでした。
「じゃあ皆で行こうね」
「いや、まさかね」
「本当に旅行に行けるなんてね」
「嬉しいね、皆で行けるなんて」
「しかも北海道なんてね」
「北海道はね」
ここで皆言います。
「行くのはじめてだね」
「日本の中でもね」
「行くにしても」
「あそこはね」
「そう、北海道はね」
ここで目を輝かせて言う先生でした。
「僕も行くのが楽しみだよ」
「確か北海道は」
老馬がその北海道についてお話します。
「日本の一番北にあるね」
「そうだよ」
「じゃあ涼しいね」
「そう、冬は寒いけれどね」
それでもとです、先生は言うのでした。
「夏は涼しいよ」
「この神戸も涼しいけれどね」
トートーはこの神戸のことも言いました。
「北海道はだね」
「この神戸より涼しいよ」
「それはよさそうだね」
「いや、大阪なんかね」
ジップは先生達と一緒に行くこの街のこともお話します。
「凄く暑いからね」
「うん、大阪はそうだね」
「イギリスなんか比べものにならない位にね」
「流石にアフリカよりはましだけれど」
ホワイティはアフリカの赤道線の辺りに行った時のことを思い出してそこでの暑さのことを言うのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ