第二十六話
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る状態なのだろうか、どこか懐かしい感覚だ。ふと良い香りが鼻腔をくすぐり、頬の辺りが少しかゆく感じる。それからどんどん全身に感覚が戻ってきて、最後に重たい瞼を開けた。
久しぶりに取り入れた光に思わず目をすぼめると、耳のすぐそばに聞いた声が届いた。
「あ、起きたの? レイナ」
寝起きのような鈍重に固まった頭の中をほぐしながら目を動かすと、目の前に輝かしいばかりの金髪に横顔だけで絶世の美女だと解らせる美貌が飛び込んだ。
……あれ。
「アイズ……?」
「おいこら、寝ぼけてんのかスライム野郎。嘗めた口利かねぇって話じゃなかったか?」
視界一面に雷をあしらった青い刺青をした青年の顔が映りこんだ。うわぁ……なんか見たくない顔が目の前にあるんだけど……。
しかし一体これはどういうことなんだろう。
「また会ったねーロキにナンパされてた女の子ちゃん!」
「わざわざ拾う必要なんて無かったでしょ……寄り道したけど、一応遠征中なのよ? 私たち」
「そう言うなティオネ。同じよしみを助けるのは当然のことだ。それも幼い少女ならなおのことだ」
「ケッ、どうせあそこに捨てておいても、コイツならけろっと生きて帰れるっての!」
なんで私は【ロキ・ファミリア】の精鋭たちに囲まれてるんだ……?
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