第二十六話
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しいからね。私は【アルテマ】一回ぶっぱなせば簡単に枯渇させることできるけど、レイナと話すために【アルテマ】をぶっぱなすって頭おかしすぎる話だからなぁ……。
「平常の状態で簡単に意思疎通できる手段があればいいのですがね……。先日会ったアスフィさんに頼んでそういう魔道具を作ってもらうというのはどうでしょうか」
「危険すぎだよ。アスフィのバックにはヘルメス様がいる。まぁ、十中八九フレイヤ様の下にいるだろうからすでに敵対してるようなものだけど、余計なちょっかいを出されるのは面倒だよ」
「ですよねぇ……。それについてもまたいつかの機会に話しましょう。現時点で解決できることではないですし」
「考えることが多くなったなぁ……」
実質レイナを殺してしまったと思っていたけど、状態はどうであれこうしてレイナは生きていたと知れただけでも大分気が軽くなったかな。未だに現状に仕組みをよく解ってないけど、少なくともセレーネ様を見つけるまではレイナの体を貸してもらえるようだし、じっくり考えていこう。前世の魔法大国にいた知り合いを尋ねてみようかな。エルフ族だしまだ生きてると思う。
「結構話し込んだけど、どうすれば体の操作権を決定したことになるのかな?」
「それはクレアのお姉さんの魂に精神力が補充されるまで、でしょうね。私は今の状態が最高潮みたいですし、私の精神力の上限をクレアのお姉さんが上回れば、その時点で操作権は決定されると思います」
「いまさらだけど、自分の体の操作権って表現、なかなかグロいね」
「ぶっちゃけてしまうと、私自身、自分の体を動かしたこと無いのであまり頓着が無かったりするんですよね。だからどことなく他人行儀な表現をしてしまうのかもしれません」
うーん、本当に申し訳ないことをしてるなぁと実感させられるなぁ……。自分の体を自分の物と思ってないようなものでしょ、それって。早く返してあげたいなぁ……。
良心の軋む音を聞くと、次第に意識が遠のく錯覚に襲われた。
「クレアのお姉さんの体、少し透け始めましたね」
「え、本当?」
両手を見ると確かにうっすらと透けていた。これはこの空間から出られるって解釈で良いのかな? レイナの体には何の異常も見られないし。
レイナは少しさびしそうに微笑みながら手を小さく振った。
「しばらくのお別れですね。またお会いしましょう、クレアのお姉さん」
「うん、なるべく早く戻ってくる」
もうほとんど実体を失った手でレイナの頭を撫でてやると、そこで体が浮遊する感覚に襲われ、意識がどこかへ吸い上げられていった。
◆
完全に消えた五感が徐々に戻ってきた。体の前面がどこかに密着している。定期的に小さく振動する物に乗っかってい
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