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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第二十六話
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敵な恋を夢見るものです」
「うーん、私は恋なんてしたことないからなぁ……」

 というか13歳で青春って早い気がするけど……英雄譚とか読んでると大体16歳くらいでそういうものしてるし。セレーネ様も私に恋はいいよー、と話してくれたことあるけど、それは冒険者になってからずいぶん経ってからだったしなぁ。人それぞれなのかな?

 私が唸っているとレイナが物凄く怪訝に見つめてきた。

「それ本気で言ってます?」
「こんなことで嘘言う訳ないじゃないか。というか、私の記憶知ってるなら解るでしょ?」

 なぜに疑われてるの。
 レイナはだめですねこれは……と嘆くように呟き眉間に指を添える。

「ともかく……私はクレアのお姉さんの記憶を持ってるとは言え、心は純粋な13歳です。多少はクレアのお姉さんに影響されてますけど……」
「まぁ解ったよ。だけどそんな簡単に恋なんて出来るものじゃないでしょ? 好きなタイプとかそうそう合うもんじゃないよ?」
「ふふーん、実はちょっと気になってる人はいるんですよー」
「ほほーん? ぶっちゃけ誰なの?」
「ベル君です!」
「……マジかぁ……」

 ベルかぁ……。よりによってベルかぁ……。まあ荒くれ者が集まりやすい冒険者の中だとベルみたいな子は稀有だからねー。セレーネ様が言うにはギャップ萌え? とかいう奴なのかなぁ。それはちょっと意味が違ったっけ。
 まあレイナがベルのことを気になってるって言うなら仕方ない。幸いベルとは縁もあるし、歳も近いから十分いける範囲だ。
 だけどベルを囲ってる女性陣が多すぎるんだよなぁ……。心配な要素はそこなんだけど。とくにシルヴィ辺りが修羅場になったとき一番ヤバそうな雰囲気あるし。

「その点については問題ありません! 私には秘策があるのです」
「簡単に思考を読まれてることについてはもう突っ込まないぞ……。で、その秘策というのは?」
「ふふふ、それは内緒です。口に出すのは少し恥ずかしいです」

 ほっそりと頬を染めて目を伏せるレイナは、なるほど、この顔を見せればベルも振り向いてくれそうだ。ただこんなよく解らない場所に放り出されても気丈に振舞っているレイナが口に出すのを躊躇う秘策って大丈夫なんだろうか……主にベルが。そこは私、関係ないから傍観するけどね!
 
「レイナの要望は解った。なるべく尊重するから、また何かあったら言ってね」
「はーい」
「それで問題なんだけど、レイナと話すためにはまた精神力枯渇(マインド・ゼロ)にならないといけないのかな」
「今のところはそれしかなさそうですね」
「面倒だなぁ……」

 精神力(マインド)というのは非常にあやふやな定義なんだよね。日によって上限は変わるし、実は消費してる精神力(マインド)の量も毎度変動してるら
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