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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第二十六話
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品に口元を隠しながら笑う。

「いえいえ、大丈夫ですよ。先ほども言いましたが、私もつい今の今まで夢見心地の心境でしたから。それに13年間この空間にいたというわけじゃないんです」
「で、でも……!」

 言いつもる私にレイナは鋭く返した。

「それではお詫びに体を返してくださいと言えば、クレアのお姉さんは気が済むのですか?」
「それは……」
「困りますよね。セレーネ様を探すためにこの体に宿ったのですから」
「えっ、何でそれを知ってるの!?」
「まぁまぁ。私のことについては順序立てて説明しますから今は置いておきましょう。話を戻すと、私はクレアのお姉さんに体を渡すことに異議はありません。そもそもクレアのお姉さんに怒りすら持ち合わせていないので謝られても困るのですが、そこはクレアのお姉さんが悪いと受け取った部分ですし、気持ちだけ貰っておきます」

 そう言ってもらえると助かるけど……。それにしても私よりずいぶん大人な対応をするねレイナちゃん……。
 
「まあ、記憶だけならクレアのお姉さんの記憶から今に至るまでありますし」
「なんで私の思考と会話できるのかはさて置き、それってどういう……?」
「いえ、記憶については私もよく解っていないのですが、たぶん私の魂が押しつぶされてたとはいえクレアのお姉さんの魂に触り続けていたのですから、そこで何らかの現象があって記憶が共有されたのかと……」
「この状況自体不合理すぎるから、そう捉えるしかないのか……。あれ、てことは前世の私の分の時間も過ごしたってこと?」
「う、うーん、どうなんでしょうか……。まさに夢を見たように記憶が入ってるので、実際にクレアのお姉さんが生きた時間そのまま体感したのかどうかは解りません。ただそれらの記憶を基盤に今の私の人格があるので、大雑把に体感したということで良いんじゃないでしょうか。クレアのお姉さんの考えとか大体解りますし」
「本当に訳の解らない現象だよ……」

 頭を抱えて言うとレイナが同感ですと言いながら楽しそうに笑う。この子、私の分まで肝っ玉が据わってるんじゃないか……。

「私のことについてまとめると、クレアのお姉さんと記憶を共有している、クレアのお姉さんの考えに大体賛成というところでしょう」
「大体ってことは反対の部分もあるってことだよね」
「勿論です。クレアのお姉さんに私の体を貸すのは良いのですが、ずっととなると困りますし。それに私にもやりたいこともありますし」
「やりたいことって?」

 ずっと体を貸してたのだから沢山あるだろう。出来るだけ叶えてやりたいけど……。
 私が真剣に聞くと、レイナはぱぁっと花を咲かせて言った。
 
「13歳と言えば青春ですよ青春!」
「……え、青春?」
「そうですよ! 私も年頃の女の子ですもの、素
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