第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第42話 駆り立てるのは野心と野望、横たわるのは猫と豚
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かけてみれば、SS級賞金首が居るとはな」
塔城子猫が何某か言おうとしたところで、巨大な影が現れた。元竜王、最上級悪魔の『魔聖竜』タンニーンだ。やっかいな相手だ。黒歌では分が悪いかな。
「SS級相手では、リアス嬢たちでは、荷が重かろう。パーティーには無粋な客だ。さっさと始末するに限る」
「ま、待って!」
な! いきなりブレスだと!? グレモリー眷属の静止も聞かず、黒歌にブレスを吐こうとする。黒歌の仙術では防げない。ならば――
「――覇王断空拳!」
隠れていた暗がりから飛び出して、タンニーンの顎に掌底をくらわした。ブレスの射線をそらすことに成功する。
「助かったにゃん、は―――アインハルト」
「無事で何よりです」
「貴女は、ハイディ・E・S・インクヴァルト!?」
「駒王協定ぶりですね。改めて、本名を名乗りましょう。ベルカ正統|覇王流≪カイザー・アーツ≫継承者、アインハルト・ストラトスです」
黒歌が無事でよかった。タンニーンが、いきなり攻撃してくるとは予想外だった。さきに手を出してきたのはあちらだ。なら、容赦はしない。
「黒歌、グレモリー眷属は任せました。私は、タンニーンをやります」
「わかったにゃん。グレモリーたちを殺してでも奪い取るわ」
役割分担を決め、それぞれの敵と相対する。
◆
タンニーンは、目の前の少女に圧倒されていた。リアスたちを追いかけていたのは、禍の団と思わしきはぐれ悪魔。それもSS級賞金首であり、リアス嬢では分が悪いと踏んだ。本当なら、彼女たちに経験を積ませるため、見守るつもりだったが、やめた。
ドラゴンの鋭敏な感覚が、何者かの強者の気配を感じたのだ。だから、速攻でブレスで決めようとした。それを邪魔しようと出てきたのが、目の前の少女だった。
「ぐ、おのれ、小娘……」
「もう、終わりですか? 元竜王ときいて楽しみにしていたのですが、残念です」
既に決着は明らかだった。満身創痍のタンニーンと、余裕の表情を崩さないアインハルト。終わりです、と言って身動きの取れないタンニーンの前で、拳を構える。
一体、何事かと、ただ見ることしかできないタンニーンの前で、アインハルトの拳に信じられないほどの魔力が収束する。そして――拳を突き出すと魔力衝撃が放たれるのを見た。全身が焼け付くように消滅していく。それが、タンニーンの感じた最期だった。
◆
黒歌は苦戦していた。正直、リアスたちを過小評価していた。所詮中級悪魔レベルだとおもっていたのだ。それが――
(――まさか、ここまで苦戦するとはね。でも、白音を連れて帰るにも負けられない!)
特に、注意するべきは、赤龍帝たる兵藤一誠と白音
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