第68話 ラグナロク・コア
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所に出た。
そこには剣を思わせるラグナロクの動力、ラグナロク・コアがあった。
「これが…ラグナロク・コア…」
「ゼロ、急いで早く軌道修正を…」
「いや、待つんだ。ルイン、誰かいる…」
エックスの言葉にルインは足を止めた瞬間、聞き覚えのある声が室内に響き渡る。
「クーックックック…ようこそ、破滅のショーの特等席へ…!!」
「その声…Dr.バイルか…!!あのラグナロクの攻撃の中で生きていたのか…」
「クッハッハッハッハッ!!生きていた…?違うな…死ねなかったのだよ…!!」
「その顔は…!!」
バイルの顔を見た瞬間、ゼロ達は硬直した。
剥がれ落ちた皮膚の下にある物、それは人間にあるはずのないレプリロイドの金属部分である。
エックスは理由を知っているのか険しい表情を浮かべている。
「クックックックッ…この機械の体に驚いたかね…?それとも、儂がレプリロイドなら戦えると安心したか?残念だったな…これでも儂は人間なのだよ…こんな体でも…儂は人間なのだ…!!」
自分を何度も“人間”と言うところにバイルの人間としての尊厳を感じた。
「…何だと…?」
「エックス、どういうことなの?」
妖精戦争のその後のことを誰よりも知るエックスに尋ねるルイン。
エックスは少しの間を置いて、ルインの疑問に答える。
「………かつてのマザーエルフ…ダークエルフによるレプリロイドの支配とイレギュラーの抹殺…後に妖精戦争と呼ばれる争いを起こしたバイルは、妖精戦争が終わった直後に、当時の人間達の手で、ある改造を施されんだ。バイルの記憶の全てをプログラムデータに変換し…年老いたバイルの体と共に、肉体の再生機能を持ったそのアーマーに組み込んだ…。年を重ねて、バイルの体が傷つくとそのアーマーがすぐに再生させ、元通りにする代物なんだ。」
「そして戦争の後の、光も自然も何もない世界で死ぬことすら許されず…永遠に苦しみの中で生き続ける呪いをかけ…人間共は儂をネオ・アルカディアから追放したのだよ!!」
「………っ!!」
エックスとバイルの言うことが本当なら、そのことによって、バイルは人間なら確実に訪れるはずの死の安息すら許されず、永遠に生き続けなければならない無限地獄とも言える苦しみを与えられた。
そしてオメガと共に宇宙に追放された百年という永い年月はバイルの心の中に深い憎しみと狂気を孕ませていった。
「それで、こんな無駄に大規模な下らない作戦を考えたわけ?マザーエルフをダークエルフに改造して、オメガを使ってたくさんの犠牲を出しておいて…そして今度は人間達とレプリロイド達に復讐するために?」
「ふははははははははは…っ!!復讐などではない。この儂が人間やレプリロイド共に相
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