第68話 ラグナロク・コア
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せ、“向こう”のゼロ君は分かりやすすぎる、アイリスちゃんやレイヤーちゃんの好意にすら気付かない超絶鈍感だったからね、基本的な部分は変わらないこっちのゼロ君も同じはず。でも、記憶喪失とコピーボディのおかげでゼロ君はロボット破壊プログラムのことで苦しまなくて済むし、ボディの性能は“向こう”より低いけど精神面で言えばこっちが安定してるかもね。精神的余裕がある分、シエルちゃんの気持ちに気付く余裕があるかもね)、でもさ…少なくてもゼロ君にとってシエルちゃんは“特別”なんだよ。それには自信を持っていいと思いまーす」
「特別…私が…でも、私はエックスみたいにゼロと付き合いが長い方じゃないし…」
自信なさそうなシエルにアリアは溜め息を吐く。
「付き合いの長さが絆の強さを決めるわけじゃないよ。」
過ごした時間の長さで人間とレプリロイドの全てが決まるわけではない。
唐突な出会いが人生を大きく変えることだってある。
シエルはどこかエックスに似ているところがある。
最初はゼロもエックスにシエルが似ていたから助けたと思うが、ネオ・アルカディア、エルピス、オメガ、バイルと言った脅威に対してシエルはゼロを支え続け、今ではエックスに続く二人目のゼロのパートナーだ。
「シエルちゃんはもっと自分に自信持っていいと思うなー。ゼロ君は必ずシエルちゃんの元に帰ってくるよ。どんな形でもね。私が保証するよ」
「…ありがとう、アリアさん」
そうして、モニターに再び目を遣ると、ラグナロク内部で復活したアインヘリヤル八闘士を苦闘の末に撃退し、ラグナロク・コアのある部屋に向かっていたのであった。
ゼロ達は復活したアインヘリヤル八闘士を撃退し、敵のメカニロイドやバリアントの攻撃を捌き、返り討ちにする。
「くっ!余計な時間を食っちゃったよ!!」
「喋る暇があるなら足を動かせ」
少しずつラグナロクの温度が上昇していくことにエックスが顔を顰める。
「(予想以上に落下スピードが速い…もしかしたら間に合わない…いや、間に合わせてみせる!!)」
落下を止められないのではないかとエックスは危惧するが、ゼロもルインも諦めてはいない。
ならば自分も最後の最後まで抗うだけだ。
「(ようやくここまで来たんだ!!やっと人間とレプリロイドが分かり合えるかもしれないんだ!!ここでエリア・ゼロを失うわけにはいかない!!)」
決意を胸に秘めながら、エックスはゼロとルインを追い掛ける。
重力コントロール装置が壊れたのかは分からないが、ラグナロク内は無重力となっていた。
そのおかげか、HXアーマーに換装したルインが二人を余裕で引っ張っていけた。
そして奥のシャッターを抉じ開け、通路の真上のシャッターから飛び出すと広い場
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