GGO編
九十四話 闇の嵐と、闇の風
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?」
俯き、ぼそぼそとそんなことを言う彼女を苦笑しながら眺めつつ、リョウは首をかしげる。
すると、多少必死な顔で、彼女はこんなことを言った。
「他……あっ!さっき言ったことは忘れなさい……!」
「えー?なんでだよ……」
「……まわす仕事三倍に増やすわよ……!!!」
「すみません分かりました忘れます」
本気だ。間違いない。もし今の彼女に逆らえば、自分は間違いなく過労死させられる。
そう感じたリョウは即座に答え、苦笑しながら言った。
「にしても……闇風って……おま……」
多少冷静になっていた彼女の顔が、カッと朱くなった。
「そ、そうよ!悪い!?」
「だからお前、その歳で使うにゃちっとガキっぽいって言ったじゃねぇか」
「良いのよ!私はこの名前で通すの!!」
以前、彼女が携帯ゲーム機で某有名狩りゲームで行き詰っていると相談を受け、手伝った事が有った。その時も彼女は自キャラにこの名前を付けていたのだが、少々厨二病てきだったため、指摘したのだ。
しかし、残念ながら彼女はこの趣味を変えるつもりは無いらしかった。
「まぁ良いけどよ。お前、ブロックは?」
「……Eよ」
「……は?」
「え?」
聞き覚えのある答えに、思わずリョウは聞き返してしまう。しかしあえて確認するまでも無い。
「次何回戦?」
「……決勝だけど?」
「…………」
成程……つまり……。
「ならもう少し待つはめになると思うが……ま、気長に待っててくれや」
「え……じ、じゃあアンタ……」
「ま、そう言う事だな。すぐ行くからよ」
一瞬ポカンとした顔をした彼女はしかし……その顔に、普段リョウにリアルで見せる、好戦的で快活な笑みを浮かべた。
「いいわ。ま、多少はに待っててあげる。けど、知っての通りあたしもあんまり気の長い方じゃないの。だから上がってきなさい。この間の鬼ごっこの続き、してあげるから」
「上等」
そう言ってニヤリと笑ったリョウの言葉がまるで合図だったかのように……リョウは、光に包まれた。
────
一人残された闇風は、微笑みながら、何となくポカポカした気分で居た。
しかし、ふと気が付いたように、彼女は虚空に向かって呟く。
「そう言えば……彼奴知ってるのかしら?」
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