GGO編
九十四話 闇の嵐と、闇の風
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、リョウはとなりを向く。
「ちょっ……と!アイリ……離れなさいって……!」
「だから、何してんだお前は」
「えへへ〜、リョウやっほ〜♪」
「いや、挨拶は良いから離れてやれよ」
「はーい」
ブンブンと体をゆするヤミちゃんさんを見つつそう言うと、アイリはようやく手を離す。
「はぁ……アイリ、いつも言ってるけど行き成り後ろから来るのはやめて」
「あははっ!さっきシノンにも同じこと言われた!」
「ならやらないでよ……」
コロコロと笑うアイリに呆れたようにヤミちゃんは言う。
その様子を苦笑交じりに見ていると、不意に彼女此方を向いた。
「で……えっと、この子は?アイリの友達?」
「うん!リョウコウって言って……あ、男の子だよ?」
「……はぁ!?」
「はぁ…………」
全く違う意味のはぁが部屋に響く中、アイリだけが相変わらずコロコロと笑っていた。
────
「ふーん、珍しい……って言葉じゃ足りないくらい珍しいわね……」
「だよねー。私も初めはすっごくびっくりしたもん」
「一番驚いたのは俺だけどな」
「それは……そうでしょうね」
溜息交じりにそう言ったリョウに、ヤミちゃん……もとい、HN“闇風”は苦笑しながらそう言った。
「それでね!リョウってば……あ、」
「ん?ありゃ」
「試合みたいね。行ってらっしゃいアイリ」
「頑張れよ」
「あー、うん!頑張ってくる!」
次の試合相手が決まったのだろう。アイリは光に包まれると、そのまま転送された。
「ふぅ……」
「なんつーか、嵐みたいなやつだよな」
「クスッ……そうね。良く表してると思うわそれ。でもあの子とっても面倒見はいいし、良い子よ?」
「それは知ってる。それに助けられた口だしな」
「それなら結構。それにしても……リョウか……」
何となく彼女の前だとお姉さんな雰囲気を出していた闇風は、微笑んでそう言うと……何故かリョウの顔をじっとのぞき込みだす。
「あン……?何だよ。いくらなんでもこの顔で女と付き合う勇気は俺にはねぇぞ?」
「違います。……けど、そう言う所も似てるのよね……」
「はぁ?何の話だ……?」
「いや、リアルの話なんだけど……アンタと同じ呼ばれ方で、すっごいむかつく奴がいるのよ」
「あぁ?」
少し不機嫌そうに、むすっとした表情でそう言う彼女の顔を、リョウは首をかしげてみ返す。
「そいつ、いっつも仕事サボろうとしてね。何っ回注意しても聞かないうえに、この間なんか校舎の中で追いかけっこみたいなことする羽目になって挙句の果てに二階から飛び降りて逃げたのよ?非常識だと思わない?」
「……あぁ」
どこかで聞いたような話だな。と思いながらリョウは頷く。と言うかリアルで、しかも他人の関係する話をそんな詳しく話すのはどうな
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