GGO編
九十四話 闇の嵐と、闇の風
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ない。懐に入られて居たのだと分かったのは……
『この……ッ!!!?』
眼前に、銀色の自動拳銃が現れる。銃口が、自分の持つ45口径のそれよりさらにも大きい。これは……!
「Good night(おやすみ)」
ドゴンッ!と音がして視界が明滅した。視界に赤いフォントで《You are Dead》の文字が表示され、気が付いた時には総督府のホールに戻されていた。何が起きたのか冷静に考えた時にようやく、彼はその事に気が付いたのだった。
リョウコウ
第三回バレット・オブ・バレッツ予選トーナメント第三回戦突破
試合時間 五分零秒
――――
「ん……?」
三回戦を久々の闇討ちで制し、試合終了と共に息を付いたリョウが戻って来たのは、殆ど一時間ぶりの総督府だった。なかなかハードな予選だ。
一応周囲を見回すが、知り合い三人の姿はない。唯一シュピーゲルの姿は遠くに確認できたが、何やら試合を真剣な表情でみていたため、そっとしておく事にした。
「お隣失礼」
「っ……」
ダークブルーのコンバットスーツに身を包んだ小柄なプレイヤーの横に、リョウは座った。因みに小顔で短髪の黒髪に、胸の部分の控え目ながらはっきりと存在を主張する膨らみは明らかに相手が女性プレイヤーで有ることを示していたが、んなことはどうでも良い。リョウにとっては、電車の席に座るとき隣の乗客がどんな人間かを気にしないのとさして違いは無かった。
天井の巨大スクリーンに、リョウは目を向ける。知り合いの試合が映って居ないかと軽く探してみると、意外にも容易くそれは見つかった。
長い黒髪を携えた、少女と見紛うばかりの美貌。間違いなくキリトだ。
「って、おいおい……」
リョウは画面を見ながら、苦笑しつつその戦闘を見守る。
キリトの戦闘法は、彼らしいと言うか滅茶苦茶と言うべきか、大いに悩ましい……まあ常識外れな戦闘法だった。
基本的な様式は、突進だ。
軽機関銃を乱射して来る相手に対して真っ向から突撃し、掠る弾や当たらない弾は全て無視して自身の身体に直撃する弾丸だけを、アイリと同じ光剣でぶった斬る。そうして接近し、最後には相手を銃ごとやはりぶった斬る……と言う。突撃も突撃の捨て身戦法。だがあれだと……
『防げねぇな』
単純だ。だが単純すぎるがゆえ、対応が難しい。しかも、戦闘の殆どを発射された弾丸に頼るこの世界では、基本的に接近を防ぎようがないのだ。
『頭良いんだか馬鹿なんだか……』
溜め息混じりにそんな事を思った……その時だった。
「ヤ〜ミちゃん!」
「きゃぁっ!?」
隣から……どこかで聞いたことが有るような声と展開の会話(?)が聞こえた。
一度溜息をついてから
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ