30.そのとき、閃光が奔って
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なるとは限らない。
「ま、いいわ。乗ってあげる……そんな木端連中には興味ないけど、オーネストが何をされて、どう反応するか気になるもの♪」
「ほう、貴方は気に入った物は手に入れなければ気が済まない主義だと思っていましたが……彼は特別ですか?」
「あら、それを貴方が口にするの?……あの子は『皆の』特別なのよ。この街にとっても、この世界にとっても………ね?」
このオラリオ史上最大の見えない爆弾は、今もこの街の水面下で沈黙を保っている。
= =
「いやぁ、助かった助かった!持つべきは親友だねぇ、ブラスちゃん?」
「ちゃん付けするな、虫唾と悪寒が同時に走る。あとその呪いの面をはやく取っ払え。知能が下がるぞ」
「下がらないから。あと呪いの装備は一度つけると解除できないのがお約束だろ?」
「何がお約束だ……ゲームや漫画じゃあるまいし。馬鹿みたいな仮面付けた馬鹿の横を歩くこっちの気にもなってみろ」
「まぁまぁ、そう言わんでくれよ。この仮面が今回のレフィーヤちゃんトラウマ克服計画のカギになってんだから」
「た、確かにその仮面をつけていると死神のオーラみたいなものがだいぶ減っている気がします!この調子で慣らしていけば克服できるかも……!」
「………陰と陽がぶつかって中和されてんのかもな」
からからと快活に笑う黒い黄金仮面アズは確かに傍から見たら頭の中がお祭り騒ぎに見えなくもない。だが、周囲はその黄金に目を取られつつも「ガネーシャ・ファミリアの偉い人か」と勝手に納得してしまうので不審には思われていないようだった。
現在、アズとレフィーヤの間にブラスが入るという形で3人は並んで歩いている。
あの後、ブラス(オーネストの変身した姿)の介入によって一先ず人目の多い場所を脱したアズとレフィーヤ。しかし元々アズは散歩していただけであり、レフィーヤもアズの恐怖克服計画は白紙であるため、二人はどうしようか考えた結果ブラスについていくことにしたのだ。……別名「行き当たりばったり」とも言うが。
先ほど言った通り仮面によってオーラが削がれたアズだが、それでもまだ隣に並ぶほど克服できていないレフィーヤはブラスを挟んで反対側をとことこ歩いている。
「俺はな、今疲れてるんだよ。さっさと変身解いて屋敷に剣を置いて昼寝したい気分なんだ。だから屋敷に着いてからはお前ら二人で勝手にやれ」
複数本抱えた剣をこれ見よがしに揺らしたブラスは、不機嫌そうに自らの金髪をかき上げた。
突然アズが絡んでいった金髪金目の美女――丁度アイズを少し大人っぽくしたような印象の女性を、当初レフィーヤは『ゴースト・ファミリア』のまだ見ぬ一員だと思っていた。
「………未だにブラスさんの正体がオーネストさんだと言われ
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