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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
28.むむむ。
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「ええっ!?こ、この形容しがたい白頭巾さんがガウル師匠の主神様ぁっ!?」
「このオバケのプータロウみたいな変なのがガウル様の主神様ぁっ!?」
(相変わらず銀○のエリザ○スみてぇな恰好してるなぁ)

 失礼大爆発なことを口にする二人だが、驚くのも無理はない。
 頭から膝の辺りまでを綺麗に真っ白い頭巾で隠すそのいでたちは不審者そのもの。エジプトチックな形の二つ眼以外に何も装飾品が無いそのシンプルさと正体不明っぷりたるや凄まじく、膝から下の美脚だけが生身で見えている部分な上に手を出す穴すらないという徹底ぶり。
 リリの言うとおり、手作りオバケコスチュームみたいな変なのとしか形容できない。言ってはなんだが傍から見たら何の生物か問いたくなる。

(……時にガウル。メジェドってどうやってメシ食ってるの?)
(実は俺も見たことがない……一応食べてはいるみたいだけど)

 アズも謎だらけだが、この神はもっと謎だらけ。子供たちに形容しがたいとかなんとか言われたメジェドは若干不満だったらしく、頭巾の中からくぐもった声が漏れる。

『むむむむ………初対面からとんでもなく失礼な子供たちだ。ガウル、我が軍門の団長としてなにか言ってやるのだ』
「え?あ、はい。………お前らーーーっ!!こんなんでもメジェド様は俺の命の恩人なんだぞ!!」
『………こんなんでも、は余計なんじゃないか……むむむむ』

 自分の眷属からも変だと言われたのが堪えたのか、メジェドはしなっと項垂れてしまった。首や腰の存在を感じさせない滑らかな曲がりっぷりはどこか軟体動物を思わせるが、脚は人間だし人型なんだろう。多分。

『悲しい……私のこだわりのオーダーメイドで決めた格好がファミリアにまで酷評されて、かなしみのナイル川が頬を伝う……むーむーむー……』
「ああっ、メジェド様がむーむー言っている!これはメジェド様が悲しんでいる時の声だ!!」
「そんな判別方法!?いや、確かにさっきから「む」が多いけど!!」
「す、すいませんメジェド様……またクッキー作ってあげますから機嫌直してください。メジェド様の大好きなチョコチップクッキーですよー!」
「ガウル師匠クッキー作るの!?似合わない……滅茶苦茶似合わない!!」
『むむむむ、む……本当か?チョコで挟んでチョコをコーティングしてスプレーチョコをたっぷりまぶしたビターチョコクッキーを作ってくれるのか?』
「そんだけまぶしておいてビター要求なんですか!?」
「俺の不格好なクッキーでよければ腕によりをかけて作ります!」
『むむむ、むむ………ガウルがどうしてもというのなら、いいだろう。むむっ!』
「単純っ!!子供みたいに単純っ!!」

 ベル、怒涛のツッコミ連打を出すもメジェド・ファミリアこれをガンスルーである。
 メジェド
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