27.君散り給うことなかれ
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ますから、ねっ♪」
「う………うわああああああああああッ!!やってやる!やってやりますともぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
重ねて言うが、ベルには夢がある。以下省略。
(こいつマジでチョロイわー)
(チョロ甘ですねっ!)
(リリちゃん何か手慣れてるなぁ。流石は接客業やってただけのこたぁある………)
……レベル不明のオラリオ最強候補であるアズ。一応ファミリア団長でレベル4のガウル。そして経験豊富で素人へのアドバイスが上手いリリ。最高とはいかずとも、新人を鍛えるにはかなり贅沢な教官に囲われて、今日もベルは戦い続ける。
「ほ、本当にこれで英雄になれるのぉぉぉ〜〜〜〜ッ!?」
「逆に考えろ。この程度の苦難も乗り越えずして……何が英雄かぁッ!!」
「ハっ!?そ、そうか……だからこそ英雄なんだ!!うおおおお!僕は自分が恥ずかしい!もっと稽古を付けてくださいガウル師匠ぉぉ〜〜〜ッ!!」
(やっぱこいつチョロいわ)
……半ば「みんなのおもちゃ」と化している気がしないでもないが。
「ま、直情径行の方がステイタスの伸びはいいのかもな……んじゃ、俺も応援に加わろうかな」
今までずっと眷属のいなかったヘスティアがせっかく迎え入れた冒険者なのだ。あっさり死んでしまって大泣きするヘスティアを慰める役など御免である。彼女もゴースト・ファミリアの一人ではあるのだ。多少入れ込んで鍛えたって問題はないだろう。
それに、多分あの子は伸びる。アズと違って夢があり、戦いの才能もあり、何より『何色にも染まれる可能性』を感じられる。多分フレイヤ辺りの好みなんじゃないだろうか、とても澄んだ魂を感じる。案外あの少年なら、荒唐無稽なその夢とやらも叶えられる日が来るのかもしれない。
「羨ましいな……俺は未だに夢も見つからずに宙ぶらりんの昼行燈だ」
やりたいことをするのと夢を追うのは違う。
片やその時凌ぎの行動を延々と無意味に重ねる行為。片や目指す目的の為に一直線に行動を重ねて踏み出す行為。目標のためなら辛酸だって舐めるし泥も被る。夢のある奴は俺みたいに小奇麗な姿ではいられないんだろう。反面で夢もないくせにぼろ雑巾みたいになってしまうオーネストみたいなのもいるが、あれはまぁ……例外だろう、色々と。
(目標ねぇ………ダンジョン制覇は、面白そうではあるが何年か頑張りゃ終わっちまうな。俺とオーネストが二人で無茶すりゃ最悪1年以内に全部ブチ壊してみせる。商売……まぁ、あれは趣味であって夢じゃあないんだよな)
この世界の真実を解き明かすみたいな話もオーネストとやったことがある。が、それも結局天界に殴り込めば全部終わりそうだという結論が出た筈だ。こうして一つ一つ夢でないものを潰していくと、最終的にはなにも
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