26.これだから神ってやつは
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歩けばいいか分からなくなるし、団員たちやギルドがどんな顔をするのかがとても怖い。かといってこれをやらねば……」
「みなまで言うな、分かっている……!俺に会えないフラストレーションを溜めたあの人の所為でヘファイストス・ファミリアの活動は滞り、主神が姿を現さないファミリア内に不安が伝染……挙句本気で出奔などされてみろ!あの人は間違いなくうちの屋敷に住みつくぞ……!?混沌だ!!混沌しか残らん!!そして誰も知らんところで俺の地獄が始まるッ!!」
この男を以てして『地獄』と断言させるのはここの主神くらいのものだ。苦渋に満ちた二人の表情は、まるで死地へ赴く寸前の兵士のような悲壮感が漂っている。
「分かっている……!あのテンションの主神様と同居することがどれほどの苦痛を伴うのか……!だからこそ、手前にはもう祈る事しか出来ん……!!」
「祈るな!祈れば目が塞がる……てめぇに出来ることは何だ!?この恥の塊が外に漏えいしないように見張ることだろうが!!」
『………ってコラぁ!人のことを恥の塊とか言うんじゃない!!全部ドア越しに聞こえてるからさっさと入って来ないかオーネストぉ!寂しいやら悲しいやらで切ない気持ちになってきたよっ!』
既に、ヘファイストス私室前。
オーネストの受難が始まる。
= =
一方、相方が悲壮な戦いに赴いているその頃。
「さぁ、行くぜヘスヘス!!新商品の発表だ!!」
「わー!ぱちぱちぱちぱち!!」
「これぞ乾坤一擲の逸品!『どこでもステイタス自動更新薬』だッ!!」
「はいアウトォォォォォォォォッ!!!」
暇を持て余したアズと偶然バイト休みだったヘスティアは、新作発表会で妙に盛り上がっていた。
「何て物を作ってるんだいキミはッ!そんなの裏の方でしか流通しないに決まってるだろ!」
「あっれー?だってダンジョンの中で更新できなかったら困るんだろ?イケると思ったんだけどなぁ……」
「イケないよ。主神の正式な儀礼なく勝手にステイタス更新とか……確かに便利だけど、更新は神とファミリアの絆を確かめ合う機会でもあるんだよ!?というかそもそもソレ、更新でどこが伸びたのかをどうやって確認するんだい!?」
「や、床に紙切れ敷いて背中押し付ければ一応ステイタスの写し出来るけど……」
「………アズライール。普通の冒険者は神聖文字読めないからスキルの解読とかが出来ないよ」
「え?そうなん!?」
ちなみに(アニメ準拠で言えば)神聖文字の正体は字体が盛大に潰れた日本語のひらがなとカタカナで構成されている。ところがこの文字、単語の部分の解読に神独特の解釈技法があるらしく、通常の人間は勉強しても完全に解読することが出来ないのだ。
しかし、アズは『完全に読める』。そして
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