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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
26.これだから神ってやつは
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あとの雑務よろしく椿!!」
「主神様ぁぁぁ〜〜〜〜ッ!?!?」

 後の事情は知っての通り。本気で仕事をしないヘファイストスのせいでファミリア存続の危機に陥ったため、オーネストに泣き寝入りしてどうか来てほしいと24時間頼み込んで妥協してもらった。幸いだったのが、傍若無人と名高いオーネストがヘファイストスの名を聞いて首を縦に振ってくれたことだ。ここで別の神だったら間違いなく『知ったことか』で交渉は終了だったに違いない。

 今では椿もオーネストと同じ苦悩(というよりヘファイストスの煩悩に対する頭痛)を共有する仲間。
 そう、彼女も立派な『ゴースト・ファミリア』……本人に自覚はないが潜在危険人物の仲間なのだ。しかも見ようによってはブローカーよろしく自分の主神と危険な部外者が出会う仲介をしている状態。何ともリスキーな立場である。
 既に魔法を解除したオーネストは神妙な面持ちで椿と共にツカツカと歩む。

「して、ヘファイストスの様子は?」
「うむ、昨日から既に掃除やインテリアの見直しなどの準備を始めておった。今朝は5時に起床して既に主神用の別室で活動しておる。炉には火を入れ、最高純度のオリハルコン等々を用意し、手前にさり気なく人払いを頼んできた。他にももてなしの為の入念なシミュレーション、昼食の準備、おめかし、午後の予定、話したいトークの確認、化粧にドレスアップまで済ませておる。今頃は貴殿の到着を今か今かと心待ちにしておるだろう」

 二人の脳裏に過る、ソワソワしながら来訪を心待ちにする眼帯のお姉さん系神様の姿。
 孫が遊びに来る前のおばあちゃんと彼氏を家に迎える少女を足して2で割ったようなその姿にファミリアの長としての威厳などある筈もなく、もし万が一こんな光景が外に流出すると本気でヤバい。7:3くらいの割合で、オーネストの社会的な立場が。

「あ、頭が痛くなってくる……来るたびに少しずつ悪化しているぞ」
「もてなしとしては洗練されている筈なのだがな……」

 もてなしが豪華になればなるほどオーネストはヘファイストスに長く拘束されることになる。今回はオーネストは一本も剣を折っていないため明日には解放されるはずだが、折った日には以前に説明した通り最長で1週間は拘束されるのだから、彼としては堪ったものではない。
 オーネストは弱点を晒すことを何より嫌う。そういう意味ではヘファイストスというのは弱点そのもの。リージュやヘスティアと違って彼女は最近まったく自重というものをしていないのだ。オーネストの本音としては、二人の関係が公にされた時にヘファイストスに盛大に暴走されるのが一番怖い。

「……もし主神様が暴走めされたら、ヘファイストス・ファミリアは色んな意味で面目丸つぶれだ。あんな恥ずかしい主神がトップとなると正直どんな顔をして表を
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