24.在りし日の残影
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止まり、ぼやくように一言漏らした。
「今日、墓参りの為にダンジョンを早めに出た」
屋敷のドアを開け、オーネストは自室へと向かう。
無駄なものは無駄だと感情の籠らない決断を下すオーネストが『墓参りの為に』と告げたということは、つまり『俺だって墓参りくらいはする』という意味だ。誰に何を祈ったのかは分からないが――きっと、その行為に意味がないと分かっていてもオーネストは墓に参るのだろう。
オーネストは他人の為に動かない。
そんな彼が墓参りを『必要な事だ』と考えているというのは――正直、意外だった。
「……『知ったことか』とか『嫌なこった』くらいは言うかなぁって思ったんだけどなぁ。何でこういう時だけ小さな優しさを見せちゃうんだろうね、オーネストはさ……」
こういう時に、ココはふと思う。
オーネストは、どんなに冷めても優しさを捨て切れる人間ではないと。
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