23.舞空遊跳
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= おまけ =
一方、そんな若者たちの娯楽を天高いバベルから見下ろす一人の女神。
「相変わらずオリオンの所のお姫様はヤンチャね。でも……うふふ、結構見応えがあるじゃない。参加してる子たちも楽しそうに魂の輝きを増してるわ。スポーツ……冒険者のやるスポーツ大会、『祭典競技』なんてあったら面白いかもしれないわ」
このオラリオにも娯楽は数多くあるが、スポーツというものは何となく注目度が低い。どうせ体を動かすのならば冒険者らしくダンジョンで暴れて武勇を立てろ、という潜在的意識があるからだろう。しかし、偶にはああやって何の気兼ねもなく純粋に体を動かすことを楽しむのを観察するのもいい。普段とは違う魂の輝きが見られる。
偶には良い事を思いつくな、と内心で自画自賛していたフレイヤだったが、不意に嫌な事を思いだしたように顔を顰める。………念のために言うと、楽しい時も怒っている時も微笑を湛えているタイプのフレイヤとしては『激レア』と呼んで差支えない表情である。
「………とりあえず『祭典競技』が採用された暁にはルールの文言に『死神っぽい人、鎖を使う人、黒コートで神に対して馴れ馴れしい男は参加資格を認めない』って書きこんでおきましょう。うん、そうしましょう」
今現在、その条件にばっちりぴったり当てはまる人物はたった一人。『告死天使』のみである。ではなぜフレイヤがそんな特定の人物だけ締め出すようなルールを作ろうとしているのかというと、それは彼女が『移動遊戯』の存在を知ることになった日に起きたある事件が発端となっている。
あれはそう、数か月前の事――フレイヤは自室で寝ていた。
別におかしいことではない。時間帯は昼だったがフレイヤとて昼寝くらいはするし、むしろフレイヤの場合は夜の方が忙しい。だから別に昼寝していてもおかしくはないのだが――そこに、とんでもない闖入者が現れる。
「…………?」
ふと、どこからかジャラジャラという金属同士がこすれ合うような音が近づいている事に気付いたフレイヤは眼を覚ましてその正体を確かめようとした。今までここに住んでいて一度も聞いたこともない音であるが故、気になったのだ。音は外から、ということは外を見れば千里眼染みたフレイヤの眼でその正体を確かめられる筈だ。
いまいち目が覚め切っていないフレイヤは、寝ぼけ眼を擦って立ち上がりテラスへ向かう。
そう、来訪者が訪れたのは丁度その時のことだった。
バベルの頂上というこの街で一番高い場所のテラスに鎖を引っかけた盛大な来訪者が。
「これが俺の立体機動ーーっ!!………ってヤバイこれ加速殺しきれない壁に突っ込むうううッ!!」
「きゃああああああ!!黒いナ
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