Q&Aとオマケ詰め
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ない過去なんざ、今更思い出してどうなる訳でもないか……過去はもう背中に背負ってるんだ。残りの感情の残滓は黒いコーヒーにでも溶かして飲みこんじまおうぜ?」
「………あいにくだな。俺はコーヒーに混ぜ物はしない主義だ」
「あっ、こいつノリ悪いなぁ!……ところで知ってるかオーネスト?オラリオってコーヒーをブラックで飲む文化はマイナーらしいぜ」
「言っておくが、こんな苦い物に砂糖も入れず飲むのは日本人くらいだ。緑茶文化が広まり苦味に慣れた日本独特のスタイルと言える」
「物知り博士か!ホントお前なんでも知ってるよな……」
二人の時間は、香ばしい匂いと共にゆるりと流れて行った。
おまけ2 家政婦の日常
オーネストの館の料理は基本的にメリージアが担当している。
一応オーネストとアズも基本的な料理は出来るが、メイドというジョブを名乗るまでに修行したメリージアの料理の腕には敵わず、しかも手際が良すぎて手伝う隙がないため事実上この館のキッチンは彼女の独壇場だ。
その日も、彼女はキッチンにいた。とはいえその目的は自分の昼食を作る為だったのだが。
そんなメリージアの下に、今日は珍しい客が来ていた。酒の勢いでアズに甘え過ぎて大衆にトンでもない姿を晒してしまい、酔いが醒めてから恥ずかしさの余り2日ほど寝込んだリリルカ・アーデだ。何でもうっかりパクってしまったアズコートを返しに来たらしいが、生憎アズはオーネストと出かけたまま帰ってきていない。という訳で、昼も近いのでメリージアは彼女の分の食事まで作ってあげることにした。
最初は遠慮していたリリだったが、既にキッチンから漂う食欲そそる香りに腹の虫が暴れ出し、結局ごちそうになることになった。
「メリージアさん、メリージアさん」
「ん?なんだよ、リリちゃん?」
手伝うこともなく退屈しているリリは、メリージアに話しかける。
「メリージアさんっていつもお二人のご飯を作ってらっしゃるので?」
「いや、お二人とも一度ダンジョンに潜っちゃうと長く帰って来ねぇから保存食持たせるのが精いっぱいでよ。外食もしやがるんでそんなに忙しくはねーかな……ちょっと寂しいけど」
「戦えないんでしたっけ……お気持ち、ちょっと分かります」
互いに理由はどうあれ戦闘力に欠ける者同士。女で小人族のリリは言わずもがな、メリージアは外見の発育こそいいもののアマゾネス特有の戦闘能力が非常に低い。アズ曰く「かくせーいでん」で人間の弱い部分を偶然受け継いだと思われるそうだ。
「へへっ……あ、そうだ。リリちゃんは確かアズ様に会ったのがウチに来た切っ掛けだったよな?」
「そ、そうですけど……」
「いいなーアタシもアズ様に目一杯甘えてぇぜ!一丁お酒の力を借りて迫ってみよっか
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