Q&Aとオマケ詰め
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のかさえ疑わしい。
俺は何がしたくてこんな空虚な学校に入学したんだっけ?ただ漠然と、高校に行っておけば将来の目標も見えてくると思って……その頃から一歩も進歩しないまま無駄に時間だけが過ぎた。
結局、何がしたかったんだ?どこに立って何をやってて、どっちを目指してんだ?
食べ物にもお金にも困っていない筈なのに、俺の心は驚くほどに風化していった。生きる目的のない、歩く屍――自分の事も分からないまま砂漠のような人生を延々と歩んでいく。特別な能力など無い。人と違う所など無い。つまりそれは、人として何も持っていないということ。
自分の存在が、世界に求められていない。
そう思うと、生きていることが怖くなった。
生きる希望がないのに『生きられてしまう』世界が、恐ろしかった。
死望忌願――自ら破滅へ向かう欲動。
思えばあいつは、あの頃から俺の中にいたのかもしれない。
「まぁ、少なくともオラリオでの人生よりは遙かにつまらない人生だったよ。で、お前は?その頭脳だし優等生だったんだろ?」
「……そうでもねぇよ。成績はともかく生活態度は最悪だったからな」
「あ、そこ今と変わんないんだ……」
子供の頃はいい子だったと聞いていたのでこっちの世界で捻くれたと思っていたが、そういう訳ではないらしい。オーネストは他人事のように淡々と語る。
「向こうの俺の家族関係は、多分最悪に限りなく近かったんだろうな。そんな環境からまともなガキなんて育つわけがねぇ……誰彼かまわず喧嘩吹っかけて、地元じゃ絡んできたヤクザの指を落としてケジメ付けさせたこともある」
「狂暴にも程があんだろ!?任侠映画もビックリだよ!!」
「成績が良かったのは、クソみてぇな大人どもより自分の頭が悪いのは耐えられなかったからだ」
「負けず嫌いでプライドの高い天才か!!」
どうやらオーネストの前世も立派にオーネストしてたらしい。歴史は繰り返し過ぎるということか。前世はヤクザかと想像したが、ある意味ヤクザより怖い。こいつなら将来立派に一人仁義なき戦いを繰り広げたことだろう。
「お前よくそれでオラリオに生まれてから10年普通に育ったな!?」
「はっ……こっちでも記憶はあったさ。だが、それが自分の記憶だとは思わなかった。思い出したのは8年前、記憶の俺とここにいる俺が重なってからさ」
テーブルに肘をついた手に顎を乗せて過去に想いを馳せたオーネストは、小さく笑った。
「現実の環境とかけ離れすぎててな……そうなるまで、ずっと唯の悪夢だと思い込んでたよ」
どうしてか――俺の目には、その笑顔が今にも泣きそうな表情に映った。
……これ以上、互いに過去の話をしても面白くはならなそうだ。
「ろくでなしのろくでも
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