暮れ泥む街衢の陰で
21.死んデレらストーリー。
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している。二人は肩を寄せ合っているが、アズの肩とリリの目線あたりがほぼ同じ高さなので高低差が凄い。
「ファミリアとして成立してないって……えっと、つまりどういうことですか?」
「いいか、ベル?そもそも神の眷属と書いてファミリアと読むんだ。当然、眷属は一つの神の下に仕えている形になる。ところがウチの連中は………俺はメジェド様に、浄蓮はオシラガミ様にと、既に主神が存在しているんだよ。というかそもそもオーネストには主神がいないから、俺達は立場的には何の繋がりもないんだ」
「簡単に言うと単なる友達であって、別に家族同然の繋がりはないってことかな。行動指針もないし、本当に暇な人がつるんでるだけなんだ、俺達は」
「リリは又聞きした話でしか知りませんが、何でもオーネスト様が『やらかす』とどこからともなく人が集まってオーネスト様をフォローしたり助けたりしている姿から、実体がないのに協力し合う集団……ゴースト・ファミリアと呼ばれるようになったと聞いています」
「概ねその通りだよ、リリちゃん。実際俺達に纏まりらしいものが出来たのってアズやメリージアが来た頃からだし」
「え、何それ初耳なんですけど……」
話を聞いてたベルよりも衝撃を受けて目を見開くアズに「自覚なしかい……」とガウルはぼやく。
本来、ファミリア同士は競い合う傾向が強い。別のジャンル……代表的な例として冒険ファミリアと鍛冶ファミリアは協力関係になることも多いが、同じジャンル同士のファミリアは多くの場合敵対関係になる。これは友人関係や恋愛関係にも当然に反映され、過去幾度となく諍いの種になってきた。
だからか、昔ゴースト・ファミリアと呼ばれた人々は基本的に「オーネストを手助けする」という共通目標を除いてバラバラに行動していた。手を貸すこともあるが、それは効率を求めるだけであって、慣れあう事で余計なトラブルを避ける狙いがあった。
が、アズの登場によって状況は大きく変わった。
「具体的にどれくらい……?」
「そうだな……今のオーネストがツン9割デレ1割だとすると、アズが来る前はヤンデル成分10割かな」
「タダの病んだ人じゃないですかッ!!いや確かに神様から聞いた話だと大分イッちゃってましたけど!!」
「たった1割デレが追加されただけで超眷属派閥を形成するとは……恐るべしオーネスト様です」
「俺からしたらアズの方がおかしい。何であの狂犬みたいな野郎と会ったその日から仲良しなんだよ?天変地異の前触れかと思ったぞ」
「えー。あいつ結構お茶目じゃん」
「だからその茶目っ気を出し始めたのがお前が来てからなんだよっ!」
そういう所も含めてアズライールという男は衝撃的かつ電撃的だった。
経歴不明、所属不明、年齢不明、意味不明。その癖して戦闘能力は驚異的の一言に尽
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