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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
20.Soul Bet
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びて歪んだ陰影を描いた。

「貴方は『時間をかけて』さしあげます。黄泉路への寄り道にどうぞお楽しみくださいませ、お客様?」
「何なんだよ……何なんだよぉ!!お前は何だ!あのメッセージは本物なのか、嘘なのか!?この部屋は一体……俺とお前は何なんだ!?」

 根拠のない自信を掲げた果てに現れた、現実とも夢とも形容しがたい光景。
 その中で、唯一くっきりと明確に自分を見つめるガンダールは、答えを知っている筈だ。
 せめて自分がどうなっていて、どうなるのかだけでも――知って後悔するとしても、真実を知りたい。


「何なのか、ですか………さあ、何なのでしょうね?」


 伸ばした手は、求める物に届かず空を切る。

 男が最期に見たガンダールの笑顔は、さきほどのそれより悪魔的に見えた。




 数日後、丁度人一人程度の大きさの荷物がダンジョンに運び込まれた。
 一部商人や大型ファミリアはダンジョンに荷物を別途持ち込むことも珍しくないため、その光景や荷物の行先を気にする冒険者は一人もいなかった。

 荷物は、オラリオの日常の中に融けて消えた。
 
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