19.向カウハ修羅ノ道
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、或いは陰湿なストーカーか?」
「あっはっはっはっ。馬鹿にされてんのは分かったしぶん殴ったろうかこの『狂闘士』は……!」
笑顔で青筋を浮かべる器用な女――ティオナ・リュヒテがどうしてオーネストに突っかかりに行くのかはロキ・ファミリアの面々にもよく分かっていない。何故か、と問われれば「キライだから」と膨れっ面で返ってくるからである。
例えばだが、人を救うのに理由が必要か、という言葉がある。
人が人を救うには力関係や特別な感情、利潤の有無などが挙げられるが、人道倫理に則って「そうすべきだ」と確信すれば他の理由などは必要ないだろう。自分がやりたいからやる……ただ、それだけの事だ。
そして、それはティオナも同じ。他人を嫌うことに事細かな理由など必要ない。何故なら、理由が分かったところで嫌いなものは嫌いなままだからだ。何故ピーマンが嫌いなのかという問いの答えが「苦いから」だと判明しても、それでピーマン嫌いが直る訳がない。
「ったく、相変わらずダンジョン大好きね?アンタみたいな危険人物がウロついてたら他のファミリアのいい迷惑だし思い切って冒険者辞めたら?」
「俺のやることは俺が決める。お前も大概しつこい奴だ……好きでもない男の尻など追いかけるのは止めておけ。唯でさえ少ない嫁の貰い手がいなくなるぞ」
「アンタのお尻なんか追いかけてない!アタシの視界に映るアンタが悪いのよッ!!」
アマゾネスが求める物は「戦」と「旦那探し」だと古往今来相場が決まっている。
特に男に関してはかなりの執念で、一度ターゲットにされると猛烈なまでに情熱的だ。ティオナの姉のティオネなんかがいい例で、想いを寄せているフィンに女が群がろうものなら剥き出しの殺意をぶつけて追い払う程だ。
オーネストの館も、よく夫や想い人の敵討ちとかで何度もアマゾネスにカチコミを受けた物だ。ただし、オーネストが報復するとアマゾネス達が女性として壊滅的なダメージを受けかねないのでいつも別のゴースト・ファミリアが迎撃に当たったりメリージアが説得を試みたりしていたが。
ともかく、アマゾネスとは基本的には惚れたら一途だ。男を追い回す理由など基本的にはそれしかない。ところがティオネは別に好きでもないオーネストに何故かやたらと突っかかる。単に仲が悪いだけならそれほどでもないが、彼女の場合はそれほど普通とは言い難い。
まず、その存在を目視で確認したら必ず突っかかって来る。また、匂いを感じても探して突っかかってくる。よくない噂が立つとそれを理由に突っかかってきて、メリージアを訪ねて遊びに来るという名目で館まで来て突っかかってくることもある。冒険者同士というのは深く潜れば潜るほどにスケジュールがずれて接するタイミングが減る物なのだが、ティオナは物理的に会える日ならば100%会い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ