18.なきむしオーネスト
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華奢な体が宙を舞った。
地面に叩きつけられた衝撃で体が大きくのけぞり、痛みが背中を襲う。
「――ガハッ!?げほ、げほっ……!」
「子供には教育が要るんだよ。こういう大人を舐め腐ったクソガキはよぉぉぉく躾けておかねぇとまた同じことをやらかす!そうしてこの町の屑になって俺達に迷惑をかけ続けるんだよッ!!へへっ、そうさこれは町内清掃って奴だ!!クズをクズ籠にぶちこんで何が悪い!?」
「な……き、君も彼も人間だろう!ゴミなんかじゃあるもんか!」
大男が木箱の前まで歩いていく光景を、ヘスティアは必死で呼吸を整えながら止めようと足掻いた。しかし、地上に降り、力を封じたた神とは非力なものだ。殴られたわけではなく突き飛ばされただけなのに、ダメージで足が震えてしっかり立ち上がれない。
そんなヘスティアの姿を改めて見た大男は、にちゃあ、と、本当に醜悪で蛆虫の群れを顔にぶちまけられるような悪寒の奔る下卑た笑みを浮かべた。
「あァ……女はモノによっちゃあゴミでもねぇかもなぁ?脅して利用するなり隷属させるなり抱くなり使い道はあるよなぁ?嬢ちゃんは小せぇが、そのデケぇ乳房がありゃ男を悦ばすくらいの価値はある」
「ひ、人を愛玩道具みたいに……くっ、けほっ!女の子を……いや、人を何だと思って生きてるんだい君は……っ!」
「そりゃ、『利用できる限りは』可愛がる対象だろォ?イイもんだぜ、従順な女ってのはよぉ!まぁ俺も流石に嬢ちゃんみてぇなガキまで抱く趣味はねぇけどなぁ。惜しいなぁ、もうちょっと大きけりゃ面白い事も出来たのによォ。例えばこのガキを助ける代わりに俺様を慰めてもらうとかなァ?――これでも、神ともヤったことがあるんだぜ?『そっちのファミリアになってやろうか』ってちょっと唆しただけで本気になってよぉ?おかげでタダでヤれて傑作だったぜ!!」
「………君は、最低の人間だ。地上に降りてそれほど経ってないが、それだけはボクが保障しよう」
神の子である人に対して、ヘスティアは純粋に吐き気を催した。
神と不埒な行為を行うことも、神の側が望めば不可能ではない。そして女神の中には眷属を得るために身を売るような真似をするほど切羽詰まった者もいる。神の中にも最低と思える存在は皆無ではないが、興奮気味にまくしたてる大男の姿が改心するイメージが浮かばなかった。
しかして、この救いようのない屑はレベル3――このオラリオに於いても上位と言える一握りの強者に分類される存在。こんな存在が偉ぶって大手を振っているオラリオという街の歪さを、ヘスティアは初めて実感した。
「とまぁ、女ならブサイクでない限り価値はある。だが野郎のガキは最悪だ。捨て子ってのは生きるためなら泥棒も殺人も平気でやるし、言葉は嘘と虚勢で塗り固められてやがる。おまけに狂暴で臭くて汚ねぇ。どこの誰
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