17.兎、幽霊の集いと出会う
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オーネストの館に招かれたヘスティアとベルは、アズとメリージアの手料理に舌鼓を打っていた。その品揃えと味はちょっとしたパーティくらいに思える程度には量がある。
ついでにこの屋敷に来ていたらしい二人の冒険者も一緒に食事を取り、ちょっとした賑わいだ。
「しかしオーネストはいないのに君はいるなんて珍しいね?いつもなら地元で負け知らずのコンビだろ?」
「ちょっと野暮用があってね。ま、そうでなくとも時々ココとかが代われ!って煩いしねぇ」
「フーン。潜ったってことは暫く帰ってこないんだ。残念だなぁ……ベル君の顔だけでも見せたかったんだけど」
「ま、次の機会ってことでいいんじゃない?そのうち帰って来るって!」
「大怪我負ってだろ?……まぁ、帰って来るだけいいけどさ。無茶するあの子の姿を見るのは未だに胸が痛むんだよ……」
「大丈夫大丈夫。今回一緒に行ったのは『レベル詐欺』のヴェルトールだからね。あいつならなんやかんやでどうにかするって」
(またオーネストって人の話だ。どんな人なんだろ、オーネストさんって……)
話について行けないベルはフルーツティーから香る柑橘系のさわやかな香りを嗅ぎつつ、不思議に思う。ここに来るまでに色々な話を聞いた。その中で常に共通して出てくる名前が『オーネスト』だった。
最初、ベルは「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」という質問をした。それに対し、皆は「間違いではないかもしれないが、今のベルでは助けられるのがオチだ。オラリオ内での出会いの方が堅実だ」と現実的な意見を突きつけられた。
「夢には力が伴わなければ意味がないぞ、ベル。力が無ければ戦いは蛮勇となり、自分の身体を傷付ける。腕や足を失いたくはないだろう?」
「過ぎたる夢は身を滅ぼすのが世の常やで、坊や?夢もええけど、身の丈図れるようになってからや」
「っていうかさ……その夢を実現するには必然的に女の子がオラリオ内で死にかけなきゃいけないんだよね。正義の味方って悪と不幸がないと成立しないんだぜ?悪を望んじゃいけないよ」
「ぐぅ……」
「ぐうの根が出るならまだ余裕はあるみたいだな……」
「やめて!これ以上ボクの眷属を虐めないで!その得物見つけたみたいな爛々とした目でベル君を見るのをやめてぇぇぇぇぇっ!!」
後になって気付いたけど、どうやらゴースト・ファミリアはSっ気の強い人が多いらしい。
しかし、ともかくその話の時に一番目の『オーネスト』の名が出てきた。
「オーネストなら絶対こう言うぜ。『お前がそうしたいと思うならそうすればいい。ただ、俺はそれに興味がない』ってな?」
そう語ったのはアズライールことアズさん。
ヘスティアと対等な喋りだったから死神系の超越存在かと思っていたが、実際には『告死天使(アズラ
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