16.Remember Days
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、正義から逃げたことはない。
何故なら、善悪の有無に関わらず立ち塞がった全ての障害を粉砕してきたから。
「受け入れた罪はもうお前の一部だ。だから、腫物みたいに扱うな。お前も罪を背負った者なら、苦しんでなお気丈であれ」
「罪人に威張れなんて言う人初めて見たよ……!?」
「ふん………団長様として威張ってる時の延長線上だ。やれないとは言わせんぞ?」
くつくつと、どこか意地の悪い笑い声が喉から漏れた。
こんな風に接するのはオーネストらしくない。
だが、同時に『―――――』らしくはある。
そして、オーネストは『―――――』らしさを否定しきれなかった。
(おかしなか話だが……結局、この幼馴染のことを俺は嫌いになれなかったらしい)
否定したはずの過去も、もとをただせば自分の一部。だからこそ、過去の甘さを一度認めてしまえば、オーネストも嘘はつけない。彼女に一度昔の顔を見せた以上、それはもうオーネストが認めたものだ。
(『オーネスト』って仮面が『―――――』を抑えられなくなったのか………それとも、どっかの死神もどきに面を割られたかもな?)
背後で「アキくんおかしいよ」とか「いや、そういえば昔はヤンチャだったっけ?」とか呟きながら悩んでいる幼馴染を抱えて、珍しく機嫌が悪くないオーネストは歩みを進めた。
で、だ。
(え?あれ?リージュ様のキャラがなんか変わってらっしゃらないかしら!?)
(ちょっ、え?え?何今の?幻聴だよね、あのガッチガチアイアンメイデンのリージュ様があんな普通の女の子みたいな台詞吐くわけないよね?ね?)
(おおおおおおおお落ち着け落ち着くんだ素数を数えるんだ1、2、3、4……)
(バッカお前それは普通に数を数えてるだけだろうがっ!!)
(き、聞き間違いじゃないかな?きっと聞き間違いだよい!)
(そうだよい!あの鉄の規則実行者の団長がそんな……そんなわけないよい!)
(よよいのよい!あそーれ、よよいのよい!)
(駄目だコイツ……現実を直視してない……!!)
隊士たちは一度深呼吸し、改めてリージュの方を見る。
「ところでアキくん……その、わたしって重くない?」
「軽すぎるな。もう少し太ったらどうだ?」
「そ、そう?う〜ん、結構食べてるんだけど………って、女の子に太れって失礼じゃない!?」
「知るか。あと俺はオーネストだと……」
「そんなこと言ったってアキくんはアキく………………投射隊、許可なく陣形を乱すな!遊撃隊は警戒が疎かになっているぞ!貴様らの気の緩みが自身の首を絞める結果になると念を押しても尚緩むとは、よほど死にたらしいな!」
(別人みたいだがやっぱ本人だあぁぁぁぁ〜〜〜ッ!!!)
オーネストの背中に背負われたままなので果てしなく威厳
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