機動戦艦ナデシコ
1260話
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りつけようとしていたのだろう。
そんなところに自分の仲間が吹き飛んできたのだから、咄嗟に殴りかかろうとした動きを止めるのは、致命的な隙となった。
吹き飛んでいった男の後を追うようにして、俺も床を蹴る。
当然全力を出す訳にはいかず、人の目に映る程度の速度だ。
そうして吹き飛んだ兵士が後ろから襲い掛かろうとしていた兵士に受け止められている隙を突き……
「はい、ご苦労さん」
首の裏に手刀を振り下ろし、意識を奪う。
自分を受け止めた兵士がいきなり意識を失い、先に吹き飛ばされた男が何をされたのか分からずに混乱しているのをこれ幸いと、こちらも意識を奪う。
更にそのまま銃を構えていた兵士の方へと向かい、何が起きたのか理解出来ていない男の顎を掠めるように拳を放つ。
そんな風に普通の人間に出来る動きを繰り返し……気が付けば、俺の前には死屍累々と兵士達が地面に倒れ込んでいた。
いや、意識を失っているだけで、死んでないんだけどな。
「さて、残っているのはそこのキノコと兵士が1人だけか。どうする? このまま大人しく降伏するのなら痛い目を見ないで済むが?」
「あっ、あんた一体何者!? こんな……1人でこの人数を相手にするなんて……そんな馬鹿な事!?」
「別にそれ程特別な事じゃないさ。ただ単純にお前達が軍人として、兵士として弱すぎただけだ」
「キーッ! よ、よくも! や、やりなさい! こうなったら、もう殺してもいいわ!」
叫んだムネタケが兵士へと叫ぶが……その兵士が銃へと触れた時、既に俺はその兵士の懐に入り込んでいた。
「寝てろ」
その一言と共に鳩尾へと拳を埋め、意識を絶つ。
これで残るのはムネタケ1人。
「ひっ、ひぃっ!」
勝ち目がないと判断したのだろう。そのまま悲鳴を上げて逃げ出そうとしたムネタケだったが、足を掛けて床に転ばせる。
「部下を見捨てて逃げるなよ」
背中を踏みつけ、動けないようにしてからそう呟く。
……さて、これからどうしたものか。
一応見て分かる程に特殊な能力を使った訳じゃないから、これが問題になるような事はないだろう。
もっとも、ネルガルが俺と敵対するというのであれば話は別だが……まぁ、昨日のエリナと話した感じだとその心配はいらない筈だ。
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