機動戦艦ナデシコ
1260話
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たが、それはムネタケの口から出た次の言葉で否定される。
「いい事! あの男は連合軍にとって大事な情報を幾つも持ってる筈なの! ここで殺してしまえば、私の功績に傷がつくわ!」
「本音ダダ漏れだな」
ムネタケの言葉に呟き、床を蹴り、その勢いのまま壁を蹴って兵士の群れの中に再び入り込む。
状態としては俺が捕まっていた時と同じだが、前提条件そのものが違っていた。
俺が気配遮断を使っていつの間にか自分達が囲んでいた中から消えたというのは、兵士達にとって脅威以外の何ものでもないだろう。
何しろ、ただでさえ俺が兵士達の中にいるのだから迂闊に銃を撃てない。
その上何とか好機をものにして銃を撃った時に俺の姿が再び消えたら……そう思えば、俺の存在が中央にいるというのは明らかに最悪だろう。
それに対し、俺は一人なのだから同士討ちに気をつける必要はない。
「くっ、くそっ! なら、銃じゃなくて接近戦だ!」
兵士の1人が叫び、その言葉に俺は小さく笑みを浮かべる。
近距離での戦闘で俺に勝てる人間がこの世界にいるとは思えなかった為だ。
それこそ、ネギま世界からラカン辺りを連れてくれば話は別かもしれないが。
「このっ、大人しくしろ!」
「おらぁっ!」
通路とは言っても、ここはあくまでもナデシコの通路だ。
歩くのには十分な広さだが、この大人数での戦いをするには狭すぎる。
結果、兵士達は外側からチャンスを狙って銃を構えている数人と、この狭い通路の中で十分に実力を発揮して俺と戦う為に前後から挟み撃ちにするような形で攻め込んで来た。
「いい、怪我はさせてもいいけど、絶対に殺しちゃ駄目よ!」
ムネタケのみが離れた場所から、1人でキーキーと叫んでいた。
その叫びが、ただでさえ不利な兵士達に更に枷を掛ける。
殺す事が出来ない以上、致命的な一撃を放つ事は出来ない。
兵士がナイフのような武器を使えないというのは、それこそ戦力的に大幅ダウン間違いなしだろう。
こちらに向かって振るわれる拳にも、当然全力を込めるというのを半ば無意識に避けてしまう。
「そんな攻撃で俺がどうにか思っているのなら、甘すぎるな!」
顔を少しだけずらし、前から殴りかかってきた男の一撃を回避する。
同時にその後ろに回り込み、男の背中へと少しだけ力を入れて押す。
もっとも少しというのは、あくまでも俺の基準の少しでしかない。
普通の人間にとっては、その少しというのは致命的なまでの大きな力でもあった。
結果……
「うあぁぁぁぁっ!」
「ばっ、何してやがる!」
最初に俺に殴りかかってきた兵士は、俺が移動するまでは後ろにいた兵士へと向かって突っ込んで行く。
後ろの兵士も俺の隙を突いて後方から殴
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