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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1260話
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いている以上、上下は有り得ないか。
 この世界の人間は飛べないだろうし。
 そんな風に考えながらスキルの気配遮断A+を使用し、俺を囲んでいる兵士の隙間から抜け出す。
 幾ら前後左右から俺を取り囲んでいても、全員が手を繋いでいる訳じゃない。……武器も持ってるから、手を繋げないってのもあるんだろうが。
 そうなれば、兵士達の間の隙間から抜け出すのはそう難しい話ではい。
 特に気配遮断を使用した今では、向こうは完全に俺の姿を見失っている。

「お、おい! あの男がいないぞ!? どこに消えた!?」
「そんな馬鹿な! この状況で逃げられる筈が!」
「何!? お前等、どこを見ていた! 何だってここまでして逃げられる!?」
「いや、違う! あいつが突然俺達の目の前から消えたんだ!」
「はぁ!? 馬鹿な事を言うな! ええいっ、くそっ! どこに消えた!」
「ちょっと、あんた達! アクセルを逃がすなんて何を考えてるのよ! 探しなさい!」
「しかし、ムネタケ提督! 奴が本当にいつ消えたのか、全く分からないんです!」

 そんな風に言い争いをしながらも、銃口を何もない空間へと向ける。
 一応警戒しているってのは分かるが、そんな状況でどうにか出来る訳がないだろうに。
 まぁ、こっちとしては混乱してくれるのは嬉しい限りだが。
 ナデシコの方でこの映像を録画していたとしても、男達の隙間から悠々と抜け出して距離を取っている俺を撮る事しか出来ないだろう。
 気配遮断ってあまり使い勝手が良くないスキルだと思ってたけど、人間相手にはかなりの効果を持つな。
 ただ、その便利な気配遮断にも当然問題はある。
 こっちが攻撃をすれば、その効果が消えるって事だ。
 これは、気配遮断のランクA+であっても変わらず、どうしようもない。
 もっとも、こいつら相手に一瞬でも隙があれば、こっちはどうとでも出来るんだが。
 そういう訳で、一番近くにいる兵士の側へと立ち寄って首筋に手刀を叩き込む。

「ぐぇっ!」

 その一言で他の兵士達は姿を現した俺に気が付いたのだろう。慌てて銃口を向けてくる。

「甘い」

 だが、既にその銃口の先に俺の姿はない。
 それこそさっきの部屋とは違い、ここでなら銃弾を浴びてやってもいいのだが、記録されているだろう状況でそんなあからさまな真似は出来ない。
 それに、ムネタケを含む他の奴等にも俺の力をきちんと見せる訳にもいかないしな。
 気配遮断は見せても派手なものではないので何とでも誤魔化せるが、白炎と化した姿を見せるのは、誤魔化しようがない。

「足よ! 足を狙いなさい!」

 ムネタケの声がナデシコの通路に響き、他の兵士達の持つ銃口が胴体から足へと変わる。
 俺を殺さないようにした配慮か? 一瞬そうも思っ
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