任務-ミッション-part4/戦う理由
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つぶやく。こんな時に希望的観測を口にすることは弱気になっていることを露呈していることになるともいえる。だが言わずにはいられなかったし、まだ諦め切れないからこそそれを口にしてしまう。
だが、願いが届いたのか、突如ギーシュが掘り進んでいた壁に、振動が走り出した。
「な、なんだ!?」
いったい何がどうしたのだろうかと、一同が作業を止めて注目すると…。
「モグ!」
ズボッ!と音を立てながら、つぶらな瞳を持つ大きなモグラが顔を出してきたのだ。
「こいつは確か、ギーシュの…!」
「お…おぉ、ヴェルダンデ!!ヴェルダンデじゃないか!!来てくれたのか!!」
自分のかわいい使い魔が現れたことに、ギーシュは嬉しさのあまりヴェルダンデを抱きしめた。
「あぁ、我が使い魔ながらなんてこと…!僕の危機に駆けつけてくれるなんて!僕は今ほど君という使い魔を持てたことを幸運に思えたことがないよ!!」
「なんだ、そいつはお前の使い魔なのか?」
突然現れたビッグサイズのモグラに、ミシェルは目を丸くする。
(そっか、俺とルイズのパターンと同じように、ヴェルダンデも主であるギーシュのピンチを察して…!)
サイトはワルドとの戦いの直前、まるでルイズに危機が訪れることを予知したかのように、彼女の視界を一時的に自分の目で見たことがある。ヴェルダンデも同じなのだ。まして、ギーシュが溺愛しているだけあり、ヴェルダンデもご主人様への忠誠心が強かったのだ。
「ヴェルダンデがいたのを忘れるなんて…灯台下暗しというか…でも、助かったわヴェルダンデ」
モンモランシーはこの時のヴェルダンデがとても頼もしく見えた。なんにせよ、ヴェルダンデが来てくれたのならもう心配はない。
「よしヴェルダンデ!早速だが地上への出口を掘り進んでくれ!大至急だ!」
主からの高らかな命令にヴェルダンデは「モグ!」と鳴いた後、迷うことなく地面を掘り進み始めた。それからたったの数十秒、ギーシュの前に戻ってきた。もう出口へのルートは確保したのだ。
「よくやったヴェルダンデ!やっぱり君は最高だ!」
「なんだよ、ギーシュのモグラがいたなら最初から…そうしてくれたらよかったのに」
「ほんとだよ…」
ギーシュがヴェルダンデを褒める一方で。あっさりと作業を終わらせたヴェルダンデを見て、少し溜息交じりになるレイナールとマリコルヌ。しかしその二人を見かね、アニエスが口を挟んできた。
「何を弱気になってるんだお前たち。必ずしもあの使い魔が助けに来るとは限らなかったはずだ」
「それは、でも…使い魔は主に絶対忠実って話だしぃ…」
「その使い魔がいつ、どのような形で事故にあったことで、主のもとに馳せ参じることができないこともあるはずだ。確かに使い魔はお前たちの力の一端かもしれん。だがそれがいつでも使うことができるとは限らん。そ
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