任務-ミッション-part4/戦う理由
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、ペガ星人よりもできる…」
「あんたたち、ああいうのと戦ったことがあるの!?」
静かに呟いたタバサの言葉に、ルイズは目を丸くする。
「ええ、ちょっとした事情で会っちゃってね。返り討ちにしたけど」
キュルケが地上にいるゴドラ星人を見下ろしながら答えた。タバサたちは、あんな怪人と闘りあった事があると聞いて、少し劣等感を抱く。
「二方向から攻めるか…」
ゴドラ星人は地上からこちらに攻めてくる銃士隊と、空から攻めてくるルイズたちの二方向を見る。これは少し手を焼かされてしまうかもしれない。…いや、ある意味ちょうど良い機会、とも言えなくもない。自分たちがメイジを捕まえ、彼らの生態を調査している理由は、侵略のための新兵器や文明に役立つ開発のためだ。目的の達成の一端となるのならこの戦闘も無駄ではない。最も、自分たちと比べて彼らの脆弱性は目に見えているから加減をしつつ…。
「今度は私の番ね。フレイムボール!」
すると、考え事をしているゴドラ星人の隙を突きにかかるように、キュルケの火球が星人に向けて放たれた。避ける間もなく降りかかったその火球はゴドラ星人を炎の中に包み込んだ。
「エア・ストーム」
それに続け、タバサが魔法で竜巻を巻き起こした。彼女の巻き起こす風はキュルケの炎に降りかかることで、空気中の酸素を集め炎に送り込む。結果…キュルケの炎はさらに激しく燃え上がった。
「すごい…まだ子供なのにあのような芸当ができるとは」
「私たちは犯罪を犯したメイジを相手に勝ち進んできましたが、バカにはできませんね」
銃士隊の隊員たちも離れた場所で見ながら、キュルケとタバサの魔法の腕前に関心を寄せた。ルイズもタバサはともかく、キュルケの実力を改めて認めざるを得なかった。先祖代々、自分の実家であるヴァリエール家のメイジたちと渡り合ってきた才能はキュルケにも受け継がれていたのだ。いや、いちいち卑屈になっても始まらない。第一今の自分には、キュルケの火よりもすごいものを持っているじゃないか。
いざというときは、それを使えばいい。アンリエッタからはあまり使わないように警告されているが、緊急事態ならばやむを得ない。
「エルオー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ…」
キュルケたちだけに任せていられない。ルイズも自分も戦う決意を固め、詠唱を開始する。
が、その時だった。
「…俺としたことが遊び過ぎたよ。ボーグとの共同作業が残っていたのを忘れていた」
炎の中からゴドラ星人の顔が現れた。だがそれは、普通に炎の中を歩きながらその姿を再び現したのではない。
キュルケとタバサの合体魔法から逃れるために、そして何より自分の本来の仕事をさっさと果たすために、50メイルほどの巨体へと巨大化したのだ。
「さっさと貴様らを捕まえておかねばな」
「は、反則過ぎるわよ!巨大化だなんて!」
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