任務-ミッション-part4/戦う理由
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ウルトラマンの正体が自分であることがばれない為、それもあるが…何よりギーシュたちハルケギニアの人達にはいずれ自らの力で、人類に害をなす脅威と立ち向かう姿勢を持たせなければならない。何時までもウルトラマンが守護神として留まり続けられるわけではないし、人類から努力と可能性を…そして守る価値さえも自ら捨ててしまうことに繋がりかねない。
『…お前の言いたいことはわかった。もしやばくなったら、すぐに言うんだぞ』
『了解』
再びデルフで地面を掘り起こそうとしたところで、ミシェルが後ろからサイトの肩をつかんできた。
「ちょっと待て…サイトとやら」
「な、なんですか?今時間がないのはミシェルさんだって…」
「それは私も承知の上だ。時間はとらせん。ちょっと聞きたいことがあるだけだ」
「は、はぁ…」
それを見て、アニエスはほぅ、と少し感心を寄せた。ミシェルはあまり私的なことで質問するタイプじゃなかったし、ましてや一度軟弱と決めた男とは不要な会話をする気配などなかった。とはいえ殺気と同じように鋭い視線のままだが、ミシェルはサイトに対して一つ問いただしてきた。
「お前は…なぜ戦う?なんのために戦っている」
「え、なぜって…」
「元々お前は、この国の人間ではないのだろう?他国の人間の事情のために、どうして体を張る?」
ミシェルは問いを続けていく。
「私はこの国のためにと、これまで隊長の部下として、銃士隊の副長として働いてきた。私たちが相手にしてきた者たちは盗賊や犯罪者に加担する傭兵だけじゃない。貴族もいた。奴らは敬虔なトリステイン貴族のふりをして、裏で汚職事件や奴隷・違法商品の密売…あらゆる犯罪に手を染めて、まさにガン細胞のように広がりつつある。
お前も話によるとモット伯爵やワルドのような外道共と相対したことがあると言っていたな。たとえ特別な能力を持っているからとか、主と共にあらねばならない立場とはいえ、適当に理由をつけて逃げることだってできたはずだ。
この国は、徹底的に浄化せねばならぬほど汚れつつある…なのになぜ、お前はこの国のために戦える?この状況で…どうしてそこまでお前は諦めずにいられるんだ?」
あぁ、そういうことか…サイトはミシェルが、どうして自分のような人間がこの事件に積極的に関わろうとしている理由をはっきり知っておきたかったのだと思った。
「別に大きな理由があるわけじゃないですよ。俺はこの世界で起きた事件の原因が、俺の知っている怪獣や星人たちによるものだってことを知った。何より、俺はこれまでたくさんの人たちに支えてもらってきました。借りなんて、返しきれないくらいにもらっちゃってるんですよ。それなのに、俺はまだその人たちに何も返しきれていない。彼らが俺を救ってくれたことを少しでも無意味にしたくないんだ」
そう、サイトはこれまでたくさん
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