任務-ミッション-part4/戦う理由
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にしながら、もうそれが叶わない夢であることを痛感し絶望する。
「ここまでか…私も」
「ミシェル?」
「隊長…今度ばかりは私たちはおしまいです。ここは地上から長い距離にあります。ここから掘り進んで地上から出るなんてとても…」
「ち、ちょっとやめてよ!私はまだ死にたくないわよ!?ギーシュ、あなたもなんとかしなさいよ!」
「そ、そうは言われても…僕のドットクラスの魔法じゃどうしようもないよ…」
モンモランシーから激を入れられるギーシュだが、完全に弱気になっていた。もう自分たちはここで生き埋めになって死ぬ未来しか見えていなかった。
もう彼らに戦意が見られないことを悟り、サイトはデルフを引き抜くと、スコップ代わりに地面を掘り始めた。
「お、おいおい!俺はスコップじゃねえぞ!」
「今は勘弁してくれ。命かかってんだ。デルフだってここでずっと生き埋めになって、発掘品として掘り出されるのを待ちたいのか?」
「そ、そうだけどよ、俺ってば本来剣なんだぜ?それもハルケギニア6000年の年代物なんだぜ?ここまでぞんざいに扱われるのはよぉ…」
「悪かったから!帰ったらちゃんと刃を研ぎなおすからそれで勘弁してくれ!」
文句を垂れるデルフをなんとかなだめるサイトは、地面を掘り続けた。
「何をしてるんだ…?」
ミシェルが目を丸くしながらサイトに尋ねる。
「見りゃ分かるでしょ。掘ってるんですよ。出口ふさがっちゃったんですから」
「サイト、もう僕たちは助からないんだぞ!いずれここも天井が崩落し、今度こそ僕らも生き埋めだ!」
「うるさい!俺は最後まで諦めねぇぞ!」
ギーシュの完全な諦め台詞に、サイトはそれでも自分の意志を曲げなかった。
「ふ…諦めの悪い男だ」
アニエスは根性論のみで、諦めるという選択肢を選ぼうとしない才人を見て、ほくそ笑んだ。
「最も、私はそういう男の方が好感を持てる」
そういって彼女は剣を引き抜くと、それを使って地面を掘り始めた。
「ミス・アニエスまで…」
彼女まで掘り始めたのを見て、サイト以外の男たちは困惑するばかりだった。
『サイト、俺にならなくていいのか?俺の力を使ってここからテレポートすれば…』
ふと、サイトの頭の中にゼロの声が聞こえてきた。確かに彼の言うとおり、ここで変身してしまえばすぐに問題解決になるはずだ。しかし、サイトはさっきからそうするそぶりを全く見せてこない。
『そうやすやすとお前の力を使うわけに行かないだろ。それに、地球にいた頃…サコミズさんが言ってたんだ。「地球は我々人類自らの力で守り抜かなければならない」って。
今は確かにピンチだしお前の力も借りたいけど、こいつらが絶望したままの状態で助けたら…それに何より、俺たちの正体を簡単にバラしちまうわけにいかないだろ』
サイトはその問いに対してそう答えた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ