任務-ミッション-part4/戦う理由
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モン、治療を頼む!」
「え、ええ!」
サイトからつけられたあだ名にいちいち突っ込まず、モンモランシーは直ちにミシェルに向けて水魔法での治療を開始する。
「ごほっ…」
その時、サイトはその際に突然咳き込みだした。一体どうしたんだ?
『まずいぜサイト。この辺り、瓦礫で埋まったせいで酸素が足りなくなってんだ。このままだと全員窒息しちまうぞ!』
頭の中からゼロからの警告が聞こえる。このままでは自分たちもいずれ危険だ。だが、そう簡単にいかなかった。」
「隊長…私たちは一体?」
体を起こしながら、何が起こったのか彼女は尋ねてきた。命に別状がなくてほっとしたが、安心するのは早い。いや、していい状況とは思えなかった。
「敵はあらかじめ爆弾を仕掛けていたのだ。おのれ…用意周到なことだ」
「それに、僕たち以外にも埋まっている人たちがいるぞ。それに、もう出口が…」
今レイナールが言ったとおり、彼らのいる場所に出口はなく、前も後ろも瓦礫に埋まってしまって、脱出が不可能だった。しかも、他にも埋まっているに違いない皆の姿が見当たらない。
「そ、そうだよ!僕たちこれからどうすればいいんだよぉ!!」
マリコルヌが泣き叫ぶ。出たくても出られないこの密閉した状態に、次から次へと降りかかる絶望に心がどれだけ折れても足りなかった。彼の絶望に煽られ、ギーシュたちも今度こそ助かると思っていたが、その分だけ絶望が心を塗りつぶそうとする。
「ギーシュ、地面に穴を開ける魔法とかないのか?お前土の魔法使いなんだろ?」
「無理言わないでくれ!僕はドットメイジだし、穴を掘る魔法なんてできないぞ!」
「だったら…掘るぞ!」
「ほ、掘る?」
もしかして、素手で掘るのか?と耳を疑うギーシュたちだが、サイトはそれを否定しなかった。
「掘って掘って掘りまくればいいんだよ!それに俺たち以外にもここに埋まっている人たちがいるだろ!一人でも多く助けてやれよ!お前ら貴族なんだろ!だったら民のために最後まで体張って見せろよ!」
「む、無茶言わないでくれよ!こんな瓦礫どれだけ掘ったって足りないじゃないか!」
レイナールが同考えても無理だと否定的だった。そう考えるのも無理はなかった。、こんな土木作業など、それ専門の職業に就くことがない限りはまず行わない。ましてまだ学生だ。
「掘るのか…だが、それまでこの辺りの酸素が足りるだろうか」
アニエスが、今自分たちがいる密閉空間を見渡しながら言う。ここは外とは完全に断絶されてしまった場所だ。さっきゼロがサイトの中で警告したとおり、いずれ酸素がなくなってしまう。
「もうだめだ…僕たちはここで死ぬんだ……あぁ、かわいいお嫁さんを作って幸せになりたかったのになぁ…どうしてこんなことに…」
マリコルヌは、最後の最後で自分の不純ながらもかなえたかった願いを口
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