暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
109.5話:ストライカー達の戦い
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イクの言葉に、曖昧な返事を返すレジアスとオーリス。しかしゼストはそれに応えず、ただうつむくだけだった。


「…ゼスト?」
「…アイク、悪いがそれはできん。俺はもう、長くは―――」


 そこまで言うと、突然胸倉を掴まれる。掴んできたのは、アイクだった。


「そうかもしれんとは思っていたが、だとしたら余計安静にしてもらわないとな」
「…俺の用は済んだ、もう生きる目的はない。だから俺は…」
「だから捕まりたくないってか? それは筋が通らねぇな、お前はこの騒乱の一員なんだ。その罪を償ってもらわなくては」
「…そうじゃない、俺はそもそも死人だ。俺自身の目的は果たした、後はもう…死ぬだけだ」


 そう言った瞬間―――拳が、ゼストの頬を叩いた。
 衝撃と痛みで、ゼストは数歩下がる。殴られた頬を拭う仕草をすると、アイクを睨みつけた。


「死ぬだけだと? ふざけるな…お前には、そこに命があるだろう! それなのに何故生きようとしない!」
「今の命は所詮、ただの仮初のもの…」
「……お前には…悲しむ奴がいる筈だろ!」
「そんなもの、俺にはない」
「いない? ざけんな…いるだろうが! ―――ここに、四人も!」
「ッ…!」


 驚くゼスト、その様子を見るイーナ、オーリス、そしてレジアス。
 かつてそれぞれの正義を語り合い、世界を守ろうと誓い合った仲間達。


「ゼスト…」
「ゼストさん…死ぬなんて、言わないでください…!」
「………」


 その全員が、悲しそうな目でゼストを見ていた。
 死んだと知らされていた親しい人が、今目の前で立っている。なのにその人は、命に意味がないという。悲しくない訳がない。


「それに、お前と一緒に居た彼女はどうする気だ?」
「ッ…それは、お前達管理局が保護を―――」
「確かに、彼女も今騒乱の中にいる。多少の罪はあるだろうが、小さい少女なのは変わりない。比較的軽い刑で済むだろう。―――でもその後はどうする!?」


 刑を全うし、普通の生活が送れるようになったら、誰が面倒を見る! 誰が彼女を支えてやれる!


「少しの間でも、彼女と一緒に過ごすんだ…これまでと同じように―――否、これまで以上に! 大切にしてやるべきじゃないのか?」
「……俺に、その資格があるのか…? こんな、俺が…」
「今まで一緒にいたあなただからこそ、そうするべきです。彼女もあなたの事を、何も思っていない筈がないのですから」
「……クッ…!」


 カラン、と音を立て、ゼストのデバイスが床に落ちた。片手で顔を覆い、肩を揺らす。
 そこへ上から、赤い布が覆いかぶさる。アイクの背中を覆っていたマントである。


「一緒に居ることに、資格なんかいるかよ。『そいつを
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