暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
109.5話:ストライカー達の戦い
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「はぁ…はぁ…」
ミッドチルダの廃ビルの中。三人の戦闘機人を相手取っているティアナ。
得意の幻術と射撃を駆使し、なんとか誤魔化しているが…相手は戦闘機人、念話を傍受することができるのだから、幻術を見破るぐらい訳ない筈。
何が言いたいかというと…見つかるのは、時間の問題だということ。
そして何よりの問題は…彼女達の攻撃で右足を負傷してしまったことだ。これでは逃げ回ることもできない。
〈 They confirmed our position.(発見されました)They are moving in our direction.(3方向からまっすぐ向かってきます)〉
「…シューターとシルエット、制御OK、現状維持。後は…ここで迎え撃つ!」
〈 Yes. 〉
言ってる側から、この様だ。
クロスミラージュを両手に握り立ち上がる。射撃や幻術の維持に、かなりの魔力とカートリッジを使ってしまって、もう残り少ない。
ただ一つ、それらしい計画も立てたものの、それもイチかバチかの一発勝負、大博打だ。必ず成功するとは限らない、もし失敗すれば―――
「…ほんとはさ、随分前から気づいてたんだ。私はどんなに頑張っても、万能無敵の超一流≠ノなんて…きっとなれない」
そう独白し始めるティアナ。誰かに聞いて欲しい訳でもない、この場にいるのは自らの相棒―――クロスミラージュだけなのだから。
それが分かったときは、悔しくて、情けなくて…認めたくなくて。それは今も変わらないんだけど……
「だけど―――」
その瞬間、天井が爆発し煙が発生した。咄嗟に振り向くと同時に、クロスミラージュをダガーモードに変え、振り下ろされる双剣を受け止める。
そのバックから襲い掛かる蹴り、味方は避けつつ的確にティアナを狙ったそれは、大量の煙を作り出した。
だがそこから伸びたオレンジ色の紐と、ティアナの姿が。そこを狙い撃つように打ち出されたスフィアだが、それはティアナの体をすり抜けた。どうやら幻術だったようだ。
そして煙が晴れたそこには、ダガーと銃を一個ずつ持つティアナの姿が。これは幻術ではなく、ティアナ本人だ。
(だけどそれでも、叶えたい夢がある。達成したい目標が…!)
兄が目指し、そして叶えられなかった執務官≠ニいう夢。それを引き継ぎ、今まで歩んできた。
例え自分が万能無敵の超一流≠ノなれないとしても、自分の選んだ道を諦めるつもりはない。必ずやってみせる!
執務官≠ニいう夢を、夢のまま終わらせない為に…
あの人達から学んだ力≠ニ技≠ナ、必ず―――生きて帰るんだ…!
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