13.死者の望んだ戦争
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(いや、よそう。………くそっ、あいつのことを考えたら逆に頭が醒めちまった。『告死天使』は頭にぶっかける冷水替わりにもなるらしい)
一緒に行動しなくたってあれは人を助けるつもりらしい。
そんな冗談を自分で皮肉りつつも、小さく感謝した。
俺の行動は俺が自分で決める。分からないことを他人に聞くのは無知で自我の希薄な存在がやることだ。今、ここでオーネスト・ライアーという男の取る行動を他人に委ねるなどという発想そのものが、俺自身が下らないことに拘泥して真実を見失っていることに他ならない。
真実の見えない時に行動するのならば、どう判断する。
答えは決まっている。分かり切っている。もともと、究極の判断基準は『それ』だろう。
「………ヴェルトール、行くぞ」
「おうよ!ここで助けたらあっちのファミリアの女の子にモテモテの救世主になれるかもしれんからな!気合入るぜぇ〜!!」
「…………………」
「ああちょっと!?いくら付き合うのが馬鹿らしいからって罵倒すらなしで勝手に行っちゃうのはヒドイんじゃない!?」
ドナとウォノを荷物袋に格納したヴェルトールの情けない声を背中に受けながら、オーネストは静かに、自分に言い聞かせるように囁いた。
「俺は、俺のやりたいときに俺のやりたいことをやる。何物にも邪魔はさせないし、邪魔する奴は踏み潰す。俺は――俺がこんなにもおかしくなる理由を知るために、原因を調べる。そして――俺の調べものに手を出す奴は例え神であっても決して許さない」
今、この瞬間。
孤立無援の『エピメテウス・ファミリア』の元に、この街で最も凶暴な援軍が進撃を開始した。
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