10.『死』の喚起
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りで、後の事はこっちに任せろと暗に言っているのか。
有能すぎるぞロイマンさん、いい人すぎるぞロイマンさん。
太りすぎてエルフの恥とか揶揄されているが、俺は少なくとも尊敬します。
でも前からちょっと思ってたけど、ロイマンさんってオーネストが絡むとちょっと甘いような………過去の話を聞いても、オーネストのトラブルはロイマンさんが積極的に処理してたらしい。
……とまぁそれはさておき、こんな経緯を経て俺はフィルヴィスちゃんの口から相棒が弱冠12歳で殺人者になった瞬間の話を聞いた。
オーネストは確かにサバトマンの上半身と下半身をオサラバさせたらしい。乱入してきた理由までは分からなかったが、ともかく明確な殺意を以ってオリ/ヴァスして、内臓をぶちまけたそうだ。
何もかもが濃くてエグイ。あいつはベルセルクのガッツの親戚か何かなのだろうか。そういえばベルセルクと『狂闘士』は同じ意味だったな。
(………殺した理由までは知らんけど、多分『ゴミ掃除』だな)
説明しよう!『ゴミ掃除』とは、オーネストからヤクザ的な意味で特定人物や組織を『掃除』する事である!………もうやだこの親友。これで説明出来ちゃうんだもん。
つまりオーネストは、その男が生きているというそれだけで周囲に面倒を撒き散らす存在であると考え、そのまんま殺したのである。今更ながら、俺もその光景に出くわしたことがないわけではない。あの男は周囲に殺意を振りまく癖に、そのような人を殺す時は驚くほどに無感動だ。
言うならば、そこに薄汚いゴキブリがいたからとりあえず潰した……という、それだけの感慨しかないのだろう。
本人は決して口は出さないが、特に心に干渉する相手と人の意志を支配下に置こうとする者、そして理不尽を死という形でばら撒く者をあいつは絶対に許容しない。オーネストがオリヴァスに対してさしたる興味を示さなかったのは、彼がわざわざ怒りと不快感を露にするほどの存在ではないと本能的に察知しているからだろう。
哀れだな、サバトマン。オーネストが関心を示さないってことは、お前に意志の輝きがないってことだ。生も死も中途半端で、与えられた主義主張と独り善がりな妄念だけで動き続けるあんたは――多分、死んでることに自分で気付いてないだけだよ。
それはきっと生より死より残酷な、虚ろな魂の牢獄。
地獄というのが終わらぬ苦痛を与えるものならば、なるほどお前は既に地獄にいるらしい。
苦痛を苦痛と感じぬために、そこを天国と勘違いしているだけの道化師――そう思うと、もう俺も哀れな彼の行く末に興味を抱けない。
しかし、フィルヴィスちゃんはそうでもなく、忘れたと思っていた墓穴を掘り返されて落ち着けないようだ。
「最終的には下半
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