7.無頼漢調査その二
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り子供たちには好かれているんだなぁ、と実感する。
どうやら算数を教えているらしい。私は生きてきた環境が環境なので数の勘定は足し引きかけ割り一通り出来るが、貧民はそうはいかないのか悪戦苦闘しているようだ。そんな様子をぼんやりと後ろから眺めて、リリはもう一度深いため息をついた。
この金持ちで優しくて頼りがいのある男に甘えてしまえば、救われるんだろうなぁと思う。
というか、現状既にどん底は突破しているので、半ば救われていると言えなくもない。
それでも、何となく最後の一線が越えられない。
「リリは何故、悩んでいるんでしょうか……」
そう、それが自分で分からないのだ。今まで散々汚い真似をしていたリリは、手段を選ばず金目の物をひたすら収集していた。今更、たった一つ。彼に甘えるだけで自由になれるなど、簡単も簡単のベリーイージーの筈だ。なのに、リリはどこかその結果を望んでいない自分がいる気がした。
リリは段々と思考の海へ沈んでいく。
結果、沈み過ぎて居眠りを開始。それに気付いたアズはリリをそっとベッドに運び、上着をかけてあげるのであった。
なお、その光景をこっそり窓から確認したエイナは、「あれで悪い人だったらこの世の全てを疑うわね……」と、アズへの疑念を忘れることにしたとか。
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