7.無頼漢調査その二
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」
「メリージアちゃんってば思いっきり分かりやすいクズの被害者だしねー」
「この街では重要だよね!親方も客の目利きが出来るようになれって口うるさかったし」
悪い人でないのはよく分かった。だが、結局彼らのレベル、過去、主たる思想など大きな謎は軒並み解決されなかった。ただ、4人の話を聞いてエイナは一つだけ確信したことがある。
(ゴースト・ファミリア同士の絶対的な信頼。それは、オーネスト君への信頼を中心に広がっている……誰に頼まれたわけでもない。ちょっとしたつながりや一方的な恩義が、オーネスト君の下、ゴーストファミリアと呼ばれる集団を形成したんだわ)
それは一種のカリスマとでも言うべき彼の天賦の才覚なのだろう。
例え他人を拒絶する暴力的な人間でも、そこに光を見た人間は灯燭に誘われた羽虫のように集まってくる。例えそれが身を焦がす炎だったとしても、だ。
まっとうな存在ではないが、悪と断ぜられる存在でもない。
中立と自由を貴び、子供っぽい反抗心と拘りを持ち、自分のやりたいことをやる。
ある意味で危険でもあり、危険でないとも言える。オーネストはそんな存在なのだろう。
そうなると、気になるのはアズだ。アズは街中ではオーネストの相棒として知られているが、ゴースト・ファミリア内ではあくまで一メンバーに過ぎないという扱いらしい。彼のどこを以ってオーネストと繋がり、行動を共にするようになったのか。今の話だけでは、彼という存在の人物像が全く見えてこなかった。
「………確か、アズは貧民街の方で人気があるんですよね?」
どうやらエイナの調査はまだ終われないらしい。
= =
あの日、気絶したリリを連れてアズがやってきたことでソーマ・ファミリアは大騒ぎになった。
リリは泥棒に必死な上にファミリア内で孤立していたから知らなかったが、かつてオーネストに手を出した所為で盛大に報復襲撃を受けて以来、このギルドはオーネスト及びアズの舎弟と化していたらしい。
なお、その構造は鞭が叩きのめしてさぁトドメを刺そうという所で飴が「まぁまぁ、その辺にしとけよ。ここの酒けっこうイケるぜ?」と割って入ったという。以来、ファミリアはアズに神酒を献上することで機嫌を取っているという。
なお、神酒は余りの美味さに一度飲めば中毒症状間違いなしというほどの依存性があるのだが、アズは平気な顔してガブガブ飲む上にザルなので全然酔っぱらわない。本人はリリに「あんまり沢山飲まない」などとほざいていたが、度数の高い酒は健康に悪そうだから気持ち控えているだけらしい。
――これはオーネストしか知らない事だが、日本に居た頃のアズは空虚な人生を誤魔化すために酒を飲みま
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